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日本国怪物列伝

日本国怪物列伝

日本国怪物列伝

作家
福田和也
出版社
角川春樹事務所
発売日
2009-05-01
ISBN
9784758411172
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日本国怪物列伝 / 感想・レビュー

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ふらん

伊藤博文の前に現れた杉山茂丸。伊藤が紹介状を開くと「こいつ(杉山)はおまえを殺しに来た奴だが、見どころがあるから説教して帰してくれ」。…こんな紹介状書く方も書く方だけど、書かれる方も書かれる方。そんな怪物たちの列伝。ただそれを伝えるのが…一行で6つぐらいの『、』があるかと思えば、6行で一つも『。』なしの文章。良い素材を調理の腕で残念にしている感。

2015/04/06

小鈴

27人の中で一番好きになったのは杉山茂丸。若き日は、伊藤博文などを暗殺しにいく国事犯道楽、その日暮らしのアナキスト。頭山満の片腕で、独自の思想を展開し、屍体国有論を主張、亡くなった後は骨格標本となり、東大医学部に所蔵された。でも、こんな父親だったら家族は大変で、茂丸の息子は夢野久作。そりゃ小説家になっちゃうでしょう。立ち読み。

2009/07/13

inokori

右翼というか「壮士」「国士」系の福田セレクションの中では,南喜一に一番興味を持った.他の人物と比して,世間からみて崇高な思想はなかったのかもしれないが,侠気の塊のような人だったのだろうと思う.そして,艶福家と言ってしまえばそれまでだが,本当に「をんな」が好きだったのだなぁと思う.

2009/09/15

philadelphiro

電力王「松永安左衛門」、演舞の「武智鉄二」、妖怪「杉山茂丸」、美術商「木村東介」などが抜群に面白い。性技のためなら最大限の努力をしたような紹介をされる「武智」なんて、今の日本では存在があり得ない。父の莫大な財産を使いきった放蕩息子や、時代を少しばかり早く切り抜けることで、無尽蔵な財産を作って、音芸陶芸料理「をんな」のために蕩尽の限りをつくす男達は、なんとも凄みと迫力がある。明治・大正・昭和初期というのは、面白い時代だったんだろうな、連中には。

2014/01/14

ささ

■以下、興味を持った方々。光村利藻(カメラ好きが高じて会社を設立。乃木将軍とステッセルの会談写真を撮影)、杉山茂丸(児玉源太郎に1トンの水が入る五石釜を贈りつけ、その後凱旋記念として、築地本願寺へ寄贈される)、田島道治(宮内庁長官、ソニーの会長というすごい経歴の持ち主なのに名前が知られていない人)、木村東介(ジョンレノン<歌舞伎を見て滂沱の涙を流す>とのやりとりが印象的。追羅手釜は『イマジン』に影響を与える)、八代六郎(読んでいて気持ちのいい豪傑)、辻政信(あとがきにある『悪と善が併存』がまさにこの人)

2015/04/30

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