精霊のクロニクル
精霊のクロニクル / 感想・レビュー
純子
精霊という言葉に惹かれて。太古の昔、狼の精霊に護られていた祖先たちの夢に導かれ、自分の居場所を探し当てる少年の話。スケールの壮大さに圧倒されながらも、文明がいいものばかりをわたしたちに与えてくれたわけではないのだろうなぁと、これまであまり考えたこともなかったことが胸に湧いてきました。
2022/05/27
ひさか
2009年9月角川春樹事務所刊。書き下ろし。縄文時代の世界を繰り返し見る少年は、岩手を目指す。やがて、過去の人々を感じ、森とそこに宿る精霊に出会うことに。という感じのファンタジーで、一度は読みたいと思っていました。縄文世界を丁寧に書いてあり、次の弥生時代の到来で終幕となりましたが、それほどのめり込むことはなかったです。無難な展開でした。
2021/01/10
みっちゃん
小学校は抵抗なく通えた・・・でも中学校は違和感が。自分の居場所を巡る旅のお話でしたが、物語は縄文時代・・・人は森で色々な精霊と共存していたところからスタート!文明がどんどん良くも悪くも進化して、もう森には戻れないけども・・・。ちゃんと男の子の道が見えたのは良かったです。
2010/10/17
むつぞー
アイヌの言葉をルビとして使われる文がなんとも雰囲気を盛りあげます。 そして森と精霊とを大事にした時代から何かを所有することによって、だんだんと人は精霊の力から遠ざかります。 最後に訪れる米を作り、全く違う神を信じる者(弥生時代)との戦いのクライマックスは大変迫力がありました。 現代のパートはそれに比べると存在感が薄い感じがしますが、縄文から現代へのつながりを感じさせ、またラストのイメージの美しさは圧巻でもありました。
2009/10/13
すがやん
石器時代から縄文へ、そして現代へ。時代考証のしっかりした壮大なファンタジー。 精霊と人、自然と文化との関係を、ひとつの一族の成長を描きながら、時代の変化と共に綴られていく。子供が主人公のファンタジーといえども奇抜な感じはなく、細かな心理描写と情景で、時代を追体験できるような物語。現代・過去の繰り返しで、飽きることなくとても楽しんで読んだが、少々現代編が物足らない感じがしたのが残念。
2010/02/08
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