キャベツ炒めに捧ぐ
キャベツ炒めに捧ぐ / 感想・レビュー
ミカママ
一言、いや二言で言うと「滋養」そして「絶妙」だな、この小説は。物語の主人公にしては少々トウの立つ60代の女性たちと、彼女たちの作る美味しいお惣菜、そして彼女たちの抱えるモノたちのお話。荒野さん作品中、個人的ベスト。
2017/03/01
めろんラブ
なんだか慌しいと思ったら師走。あれもこれも年内にと欲張って目が回りつつもこちらは楽しめました。それは、忙しくても読みやすい連作短篇であること、キレのある文章、名脇役の超絶美味しそうなお惣菜、そして何より協働で惣菜屋を営むアラ還女性三人が魅力的だったから。60年余の人生には苦さも塩辛さもあるけれど、時折感じる甘さがこれまた妙味。同じくアラ還大活躍の有川浩『三匹のおっさん』は”地域限定正義の味方”でしたが、こちらは”地域限定胃袋の味方”でしょうか。にゃんこの手も借りたいこの時季、切実に求む!惣菜屋「ここ家」。
2013/12/09
れみ
お惣菜屋さんで働く3人の女性が登場する恋とかのお話。沢山美味しそうなものが出てきてお腹が鳴りそうになりました。豆ごはんとキャベツ炒めとあさりフライ食べたい(^-^)最近「だりや荘」を読んでこの作家さんの作品が自分に合うか分らなかったのでもう一作読んでみようと手に取りましたが、同じような雰囲気はありながら前のよりこちらの方が好みの感じ。また何か探して読んでみよう。
2014/07/26
おしゃべりメガネ
雑誌『BRUTUS』で紹介されていたのを見て手に取りました。もともと好きな作家さんの一人で、そのどこかやさぐれた感のある作風に何とも言えない魅力を感じています。本作は還暦近い女性3人が営む総菜屋を舞台に、それぞれの人生を面白くも儚くも切々と語り、お互いに牽制?し合いながらも、結局は助け合うお話です。ほのぼのとはまたひと味違った作風を出せるのがさすがは井上さんで、どこかにブラックなジョークみたいなものを混ぜ合わせてきます。タイトルほど食事ネタがあまり出てこないように感じましたが、それはそれで良かったかなと。
2015/12/22
紫 綺
お総菜屋さん「ここ家」で繰り広げられる、ゆるりとした人間模様。主人公は離婚、死別、婚期を逃した60代のおばさま方3人。三者三様、個性溢れる三人のエピソードを、食べ物に絡めて描いている。様々な人生、様々なしがらみ、ホームドラマを見ているような、ほんわかした読後感。
2012/03/30
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