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紙の月

紙の月

紙の月

作家
角田光代
出版社
角川春樹事務所
発売日
2012-03-15
ISBN
9784758411905
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ジャンル

紙の月 / 感想・レビュー

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yoshida

銀行の契約社員である梅澤梨花は正義感の人と言われていた。しかし、大学生の愛人を作り、顧客の預金を横領し、愛人に虚構を見せ、人生を狂わせていく。始めはふとした切っ掛けで預金を立て替えただけだった。次第にエスカレートする梨花の横領。大学生にパテック・フィリップの時計やアルマーニの服を買い与える。しかし、愛人には大学生の恋人ができる。お金の力は恐ろしい。自分に見あった現実以上の虚構を見せる事ができる。私も金融関係の仕事をしており、カードを乱用する人達を見てきた。周りにもいるしね。非常にスリリングな傑作。

2014/12/21

takaC

NHKドラマの初回が放送された後に(本屋さんで)読み始めて、最終第5回が放送された後に(本屋さんで)読み終えた。ドラマは概ね忠実に話を再現はしていたが脚色も多かったし、最後に梨花は無事ラオスに逃げられたと取れる終わり方だったな。これまた小説に軍配。

2014/02/06

☆ぉりん☆

ぞーっとした。そこまでの話はないにしても、自分も素質(?)がありそうで。初めは何の罪悪感もないところから始まり、だんだん後戻りができないところまで堕ちていく。ほら、つい最近まで似たような体験してました。確かに買い物をしたときの高揚感たらないし、それなりのところにたまたま行けたときとか、素晴らしいサービスを受けたときとか“自分はそれを受けるに相応しいんだ”って錯覚するときとかあるし。物欲に支配されるということは精神状態が正常じゃないことの証だけど、まさに今もちょっとまずいかもしれない。金銭感覚麻痺してる。

2014/03/23

抹茶モナカ

顧客のお金を横領した銀行の契約社員の話。主人公には、愛人がいて、貢いでしまったりして、事態が深刻になって行く。僕は子供の頃、結構何でも買ってくれた父親に育てられて、それが当たり前だと思っていたり、物が欲しい時に父親に媚びていた事を思い出した。年齢を重ねて、僕も時々クレジットカードで衝動買いするようになった。そんな、あれこれを思って、もう死んでしまった父親に会いたくなった。僕は、紙の月、ペーパームーンの書き割りのような生活をしているから、尚更。

2013/12/23

ヨミー

初の角田光代作品読了。映画化で話題になり、図書館で予約待ちで漸く読めました。どんよりでハッピーな終わりではないが、前半から引き込まれて、良かったです。梨花と光太が身の丈にあった倹しい交際ができたら、もっと違う関係になれたかもと思う。が、夫との微妙な関係性や自分がどういう存在かというところで、いろいろな迷いや不安もあり、非日常的なものを梨花は求めてしまい、横領に次ぐ横領を重ねて麻痺してしまった。誰にでも大なり小なりあり得るお金の魔力に改めて考えさせられる内容でした。映画版のもぜひ観てみたい。

2015/02/08

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