今日のハチミツ、あしたの私
今日のハチミツ、あしたの私 / 感想・レビュー
しんたろー
寺地さん3冊目。彼氏の故郷へ結婚する為に移り住んだ主人公・碧の成長物語。碧を始めとして不器用で自信がない人々ばかりなので中盤まではモヤモヤしながらも何故か惹かれる…それは、どこかしら自分の中にもある弱い姿を突き付けられたからかも知れない。「自分の為に生きる」という綺麗ごとを抜きにした碧の潔い脱皮に拍手を送りたくなったし、小さな幸せを積み重ねて前向きに生きる姿勢を嫌味なく伝えてくれる後半は素直に共感できた。蜂蜜を使った料理は真似したくなるし、蜂の形態も「嬉しい隠し味」として作品の良さを引き立てていた。
2019/04/08
ネギっ子gen
突如開催の絶賛寺地はるな祭り、一応(区切りとして、ひとまずは)本作にて、打ち止めぇーと相成りまするぅー。いやぁー、成り行きとして、本作が真打となったのですが、天の計らいか、この著者らしい心に沁みる話。ラストまでの展開が良かった。そして、この記述。<明日世界が終わるとしても、今日巣箱を掃除し、蜜を絞り、花の種を蒔く。それから、今日のご飯はなににしよう、と考える。たとえ、それがなんの意味もなさなくても。明日がなくても、今日は今日だ>。恋人にふられるなど大変な状況下での、主人公・碧の凛とした決意表明がイイねぇ。
2020/10/16
mint☆
生きることがつらかった時、もらったハチミツに救われた碧。つらい過去があったからか自分のことも他人のこともよく見えていて、頭は混乱していても目の前の出来事に丁寧に取り組む姿勢がいい。だからその周りには頼れる人が集まってくるんだろうな。残念ながら安西やその父親もいるけれど。ハチミツたっぷりのパンケーキ食べたいな。甘いものは幸せな気分になれる。
2021/01/19
yanae
寺地さんの作品の中で一番よかった♡素敵なお話♡死んでもいいと思っていたどん底の学生時代。蜂蜜に命を救われる。現在、美大卒の彼は仕事が続かないが、プロポーズをされ一緒に実家にもどることに。と、まさかの結婚反対。職なし、すみかなしのアラフォー女子が運命的に養蜂に出会い、前向きになっていく姿を描く。養蜂について主人公と一緒に興味深く学びました。とにかく安西とその家族にはイライラ。主人公が自分の居場所を作っていく様子が楽しい。そして蜂蜜のスイーツが食べたい…♡とても幸せな気持ちになる1冊でした。
2018/10/19
nico🐬波待ち中
恋人との結婚を反対されたことがきっかけで、知らない土地で一人途方にくれる碧。何もかもが思うようにいかず落ち込む気持ちに、蜂蜜のようにふんわり優しい、けれど芯のしっかり通った言葉が染み込んでいく。何度凹んでも諦めず、自力で自分の根っこをはり巡らせていく碧。そんな碧の逞しさに、最近パワーダウン気味の私も元気を貰った。明日なんて来なければいい、と落ち込んだこともあったけれど、明日がなくても今日は今日。今日、ここでやるべきことをやる。そんな今日の次に明日はきっと来るはずだ。とても晴れ晴れとした気持ちになれた。
2019/07/27
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