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最果ての街

最果ての街

最果ての街

作家
西村健
出版社
角川春樹事務所
発売日
2017-05-31
ISBN
9784758413039
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最果ての街 / 感想・レビュー

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ゆみねこ

日雇労働者の町・山谷。そこには普通の職安とは異なり、日雇労働者のためにその日の仕事を当日の朝に紹介する役所がある。その町で起こったホームレスの男性殺害事件。人との関わりを避け、一人公園の片隅で暮らしていた男の遺骨を、せめて家族の元に返してやりたいと、所長・ノブさんは動き続ける。ノブさんがこの町の職安で働き続け、町に出ることの理由、家族に反対されながらも犯人探しのようなことを続ける理由。最果ての街は、山谷だけでなく、ホームレスになってしまった飯樋さんの故郷でもあった。リアルな記述はまるでドキュメンタリー。

2017/09/12

miww

主人公は浅草公共職業安定所の山谷労働出張所の所長。日雇い労働が専門のこの出張所に通う労働者、ホームレスの置かれた状況や生活がリアルに描かれる。そんな中起こったホームレス殺人。その遺骨を遺族の元へ返したいと身元を確認する為に奔走する彼はやがて福島の原発事故被災地の「今」へ辿り着く。「最果ての街」の住人になるまでの人生、そこでの生活、彼らの思い、原発事故の爪跡、と知らない事ばかりで読み応えがあり、ミステリーとしても驚かされた。

2017/09/21

mio217

東京を代表するドヤ街がある山谷地区。地区にある日雇い労働の斡旋が専門の職業安定所で働く所長が主人公。ある日、ホームレス殺害事件がおこり、被害者の哀しい過去が明るみになっていくー。著者は元厚労省勤務の経験があるだけに、日雇い労働者の実態が手に取るよう分かる。話の展開は少し突拍子なくて、ん?と思う場面もあったけど、東日本大震災も絡んできたりと、テーマとしては凄く重い。世間から外れて漂流し「最果ての街」に辿り着く人々の心の闇は深い。2年後の東京オリンピックの為に、彼らはどこかに追いやられるのだろうか...。

2018/04/01

Tsuyoshi

三谷の職業安定所の所長が日雇い労働者だったホームレス殺人の真相に迫る作品。ミステリーというよりは、日雇い労働者の鬱屈した現状、東日本大震災による福島の原発被害の惨状がテーマ。ノンフィクション作品のごとく克明に描かれており、読みごたえがあった。

2017/08/18

てつ

なんだか切ない小説。文体ハードボイルド的だが、なりきれていない、だからこそのこのテーマなのかも。ホームレスは最近少し減ったけれど、この冬、また増えるかもしれない。

2020/10/11

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