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おやすみ、東京

おやすみ、東京

おやすみ、東京

作家
吉田篤弘
出版社
角川春樹事務所
発売日
2018-06-13
ISBN
9784758413251
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おやすみ、東京 / 感想・レビュー

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ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

緩やかに交わる12の連作短編集。村上春樹「アフター・ダーク」と同時期に読んだので対比が面白かった。アフター〜は昼の明るさが届かない東京の闇が昼とは別の世界を感じさせ、闇で育ったいきものが昼の世界にも派生するような雰囲気。 一方この作品は闇がやさしいような、夜に浮かぶ小さな月がうっすら白く周りの闇を染めるように、気づかない闇に繋がりがあるような、東京という街が少しやさしく感じられるような。 この人の描く東京はあたたかい。 少しずつ、すべてが、いい方向に向かっているような気にさせてくれるあたたかい本でした。

2019/09/29

おしゃべりメガネ

相変わらず上手いなぁと心底思わせてくれる見事な構成の吉田さん作品です。とにかく人と人との繋がりの描写が見事すぎて、ただただうっとりしてしまいます。タイトルにあるとおり、大都会東京の片隅で繰り広げられる沢山の人々のあらゆる人生の断片をシンプルかつ味わい深く描写しています。何がどうというワケではありませんが、物語にもよくでてくる時刻夜中の一時に向けて眠りにつく前にゆったりと読むのをオススメします。正直、登場人物が少し複雑でしたが、それはそれとしても物語の展開が不思議ながらドラマチックで十分に楽しめました。

2022/03/21

ちょろこ

心が凪いでいく、一冊。真っ暗な夜のしじまも好きだけど、それはそれで時に淋しさを感じる。そんな我儘な自分にはぽっと淡く灯る明かり、これぐらいが丁度良い。 誰かと誰かが繋がって、誰かが誰かのことを思い出し、想う、そんな真夜中午前1時。淡い灯りに包まれた世界にすぅっと入り込み、なんとなく淋しさが払拭されやがて安心感に包まれ、心が凪いで行く。暗闇の淡いオレンジ色のびわも琥珀色のコークハイも…ほんのり煌めき、月夜が魅せる魔法のアイテムのよう。誰かと誰かの幸せの繋がりを感じながら味わう夜、これまた幸せな夜。

2019/06/28

あや

「この街の夜は、誰もが主役です。」 帯に書かれたこの言葉通り、出てくる登場人物それぞれにスポットライトが当てられてゆく物語。 あてのない思いをそっと包みこんでくれるような優しい、吉田さんらしい本でした。

2018/09/21

けんとまん1007

午前一時から、夜明け前までの時間。特別な時間帯。し~んとしているようで、それでも、微かな鼓動が聞こえてくるような。そんな時間帯のものがたり。短編であり、つながりのある一遍の作品であり。その独特な空気感が、じんわりと伝わってくる。人は、思い出や思いで、つながり、つながっていくもの。吉田さんならではの、仕掛け。

2018/08/11

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