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童の神

童の神

童の神

作家
今村翔吾
出版社
角川春樹事務所
発売日
2018-09-28
ISBN
9784758413299
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童の神 / 感想・レビュー

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しんごろ

時は平安時代の話!今尚、現代でも続く問題を解消すべく“想い”として、京人と相手に桜暁丸を中心に童の集団が戦うシーンは、壮大で魅了され、そして泣かされました。どことなく水滸伝を彷彿させましたね。ひょっとしたら今村翔吾さんは、水滸伝が好きなのかな。切ない話でもありましたが、現代に起きてる問題を提起して、どうあるべきか考えさせられる物語でもある気もしました。

2019/02/17

starbro

来週の直木賞発表前に、第160回直木賞候補作5/5コンプリートしました。今村 翔吾、初読です。タイトルから、平安時代の神がかりの子供の話かと思いきや、平安時代のスター(安倍晴明、酒呑童子、金太郎等)出演の伝奇浪漫でした。第10回 角川春樹小説賞受賞作でもあるので、直木賞受賞は難しいと思いますが、楽しく読めました。著者には、将来的に隆慶一郎の後継者になって欲しいと思います。

2019/01/11

海猫

主人公・桜暁丸が成長し様々な出会いを重ねていく前半は、エピソードの積み重なりようも素晴らしくぐいぐい読ませる。内容も痛快だし、時折出てくる檄文のような文章や台詞回しには熱くなるものがあった。紙幅の制限のためか展開がダイジェスト的になってしまい、求心力が落ちる部分があったのが惜しい。もっとドラマチックになっていいはずなのに。逆に考えればコンパクトにまとまっているわけではあるが。これはこれで楽しんで読めたが、著者にはいずれ同様のテーマで、上下巻ぐらいある大作を書いてほしいところ。

2018/10/07

ウッディ

平安時代、貴族の優雅な生活の裏に、「童」と蔑まれる土着の民がいた。生きるための糧を得て、穏やかに暮らすという夢を謀略と無慈悲な攻撃で打ち砕かれながらも耐えてきた彼ら。そんな時、凶事である皆既日食の日に生まれた桜暁丸は、土着の民をまとめ、朝廷の勢力に対抗する。ファンタジー要素たっぷりの歴史小説だったが、最低の人間的な生活を守るための庶民と国家権力の戦いのようだった。武士の時代が始まる前に高い志を持った人たちの歴史があったことを教えてくれたこの物語を、自分よりずいぶん年下の作者が書かれたことにも驚きました。

2020/08/01

しんたろー

今村さん初読み。平安後期の物語は圧倒的アクションと人情劇が絡んで、グイグイと力業で迫ってきた!主役の桜暁丸が混血ゆえ差別を受けた哀しみが目に浮かび、スムーズに感情移入できた。敵味方に魅力的な人物を配置しているのも巧く(特に袴垂、金時の二人)各々の視点で胸を熱くして読めた。市井の描写が少ないのと終盤が駆け足だったので、もっと書いても良かった気がする。差別や偏見を超えて人々が平和に暮らす世を目指して戦った桜暁丸の理想は、今世でも叶っていない事に虚しさを感じるが、だからこそ熱いメッセージが伝わってくる快作だ👍

2019/02/17

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