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存在しない時間の中で

存在しない時間の中で

存在しない時間の中で

作家
山田宗樹
出版社
角川春樹事務所
発売日
2021-08-10
ISBN
9784758413909
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存在しない時間の中で / 感想・レビュー

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しんたろー

最近はすっかりSFが板についた感のある山田さんの新作は適度なページ数で濃密な作品に仕上がっていた。数学や物理の話はガチガチ文系人間の私には判ったような判らなかったような曖昧な読解だったが「この世界は、そういうものかも知れない」と思わされてしまうストーリー展開が新鮮で楽しかった。そして、SFは突き詰めると哲学にも通ずるものだと感じた。傑作『百年法』ほどの重厚な人間ドラマは描かれていなかったが、今を生きる事の意味を考えつつ、空想の世界へ想いを馳せる時間を持てて「良い読書だった」と素直に言える。次作も楽しみ🎵

2021/10/14

とん大西

予想外にサクサク読めて面白い…が、このテーマならもっと風呂敷を広げた方が骨太感が出たかも。物理学にせよ数学にせよ、突き詰めればその延長線上に存在するのは〈神〉ということになるのでしょうか。それとも人智を超えた存在としてとらえるものでしょうか。突然、人類に突きつけられたメッセージ。クラウス実験を契機に露となってしまった〈宇宙〉、ひいては人類そのものの存在意義。そのあたりは王道のSFである。と、同時に哲学の群像劇ともいえるか。宇宙の謎に挑む-読み終えたらタイトルと表紙のイラストに『なるほどね』としっくり。

2021/09/07

うののささら

宇宙を設計した何者かが人類に交信をしてきた。10次元の世界がどんな物理法則で成り立っているか、彼らが伝えてきた内容を正確に理解できてるか誰もわからない。物理学者は数学的に解析できなければ物理現象を理解したといえない。数式が新たな数式を導き思いもよらない秘密を暴く。底知れぬ数理の流れ数学の概念を超えたものをフレームワークに押し込め謎にせまる。難しくてよくわからないな。科学的に説明する理論がないのは神の領域なのかな。また我思うゆえにわれあり的なすべては夢かも知れない哲学的な話になっていき面白かったです。

2021/09/30

とろとろ

この作家の宇宙観は、知的生命体は宇宙で地球人だけという理論。以前に自分がよく読んだ「光瀬龍」的な雰囲気がプンプンして面白い。今回は10次元空間を支配する何らかの存在がいて、我々低次元(立体+時間の4次元)の存在を操っているのだというのだ。そういう発想は、最後に人間がデータカード1枚に記憶される情報だけの存在になるのと同じ。神の存在が現実となれば、どうしようもない無気力感だけになって、やがては消滅するではないかと予感しているように思える。確かに、今もって地球外文明に会えていないのが最も確たる証拠ではないか。

2021/11/30

ベイマックス

読み始めたら頑張って読み進めてほしい作品でした。物理学やら数学やらの文言が出て来て、難解?って感じるけど読み進めると物語が動き出します。そして、そんなありきたりなオチかよって思うけど、読み進むとさらなる展開が待っています。SF風味に苦手意識がある方もいるかもですが、読み切ると面白いですよ。

2024/03/05

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