チグリジアの雨
チグリジアの雨 / 感想・レビュー
starbro
小林 由香は、新作中心に読んでいる作家です。チグリジアって何かと思ってたら、メキシコ原産の毒々しい花、花言葉は 「私を愛して」&「私を助けて」でした。主題は虐めですが、陰惨さよりも爽やかさを感じる青春譚の佳作です。 http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6586
2021/11/06
しんたろー
小林さんの新作は、虐めを受けている高校生・航基を主人公にした苦く重い青春小説。今までの作品よりも身近なテーマだけに身につまされる部分もあるが、青春時代の葛藤(親への反発、自己嫌悪、友人関係への疑問など)に親近感も覚える。謎が多いクラスメート・咲真との出逢いによって少しずつ変化してゆく航基を応援できる「王道の展開」なので読み易かった。若い世代へ命の大切さを呼びかける著者の真摯な姿勢が伝わってくるし、自身の高校時代も思い出し、何度も頷きながら読み進めた。切ないシーンが多々あるが、希望を感じる幕引きで良かった。
2021/11/27
いつでも母さん
「紫は痛みの色だから」「許したくても、許し方がわからない。」「痛みを伴うような真実だとしても目をそらすな。」そんな言葉の意味を、答えをちゃんと回収してそのうえで『どうか、苦しみの中にいる少年少女へ、希望の光をください。』と神に告ぐ小林さんは、今回も凄かった。きっと自分の魂を削り取りながら、私たち読者に投げかけているのだろうな。『生』と『死』の間の選択肢を間違えるなと。11月25日、世界報復デーが等しくやって来る。どうか、助けを求める皆が生き抜けますように。
2021/11/10
美紀ちゃん
号泣!いい話だった。これは心強いはず。孤独を感じいている全ての人に読んでほしい。たくさんの人に勧めたい本。11月25日世界報復デーのメッセージが泣ける。その通りだと思う。 「助けてください」と言おう。リバートントン→水切り。意味があった。伏線が繋がった。義父もお母さんも弟も、すごくウザいって感じていたけど、そうじゃなかった。最後まで読んだらわかる。石田さん、ありがとう。チグリジアの花言葉→あなたを誇りに思う。ググって出てきたのは、誇らしく思う、私を愛して、私を助けて。伏線がタイトルからすごい。学校図書館◎
2021/12/11
nobby
まさか、こんなに泣かされるとは…「ーこの国だけじゃない。世界を壊してやりたい。」何やら謎めくスケール大きな始まりに続いて見せつけられるのは、高校スクールカーストからの辛辣でエグい虐め…耐えきれず自殺を試みる航基の前に現れたのはクラスで異色の存在である咲真。止めるでもなく「死ぬなら暇なんだよ」突き放す様に戸惑いながら、やられるばかりでなく報復をと驚愕な意識の変容をみる。徐々に強くなる一方で、紫色そしてチグリジアに込められた真意に切なさ極まる…「もしも僕が神様なら…」儚くも残されたメッセージは必ずや光を得る!
2022/01/25
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