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長田弘詩集 (ハルキ文庫 お 9-1)

長田弘詩集 (ハルキ文庫 お 9-1)

長田弘詩集 (ハルキ文庫 お 9-1)

作家
長田弘
出版社
角川春樹事務所
発売日
2003-03-01
ISBN
9784758430326
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長田弘詩集 (ハルキ文庫 お 9-1) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

長田さんの詩には食べ物をテーマにしたものが多い。例えばこの詩集の中には天丼の詩が入っている。食べ物は小説に向いたもので、詩には書きにくいと思うのだが、長田さんの手にかかると立派な一編の詩が出来上がる。しかも天丼がこの上なく美味しそうなものに思えてくるから面白い。散文的な日常生活の中にも詩は存在していて、それを掬い上げて詩を作り上げるのがこの詩人なのかもしれない。その魔法によって、読み手は平凡な日常生活がかけがえのない大切なものだと骨身に沁みてわかるのだ。

2014/03/09

Rin

やっぱり長田さんいいなぁと思える一冊。もともと詩集はほとんどといっていいほど手に取ることがなかった私。でも長田さんの詩は時々、触れたくなってくる。どの詩も好きというわけではないけれど、なぜか繰り返し、繰り返し触れたくなったり、ずっと残る詩がある。「最初の質問」や「ファーブルさん」「ことば」などを繰り返し読んでしまう。言葉を大切に、複雑にするのではなく、簡単に単純に。ストレートに伝えたい。言葉を裏切りたくはない。そしてもっともっと自然に寄り添いたい。自然の音に耳を傾けて、目を向けて幸せを大事にいきたいです。

2017/03/18

Gotoran

著者が自ら選んだ珠玉の散文詩、79編を収録。難しい言葉を使うことなく平易な日常語で摘むぢ出された数々の散文詩編、読んで気付かされる示唆に富む深みのあるフレーズ。料理や食に関わる詩編が多い中、今回印象に残ったのは、石川五右衛門をモチーフにした「五右衛門」と著者の豊富な読書歴から紡ぎ出された「働かざるもの食うべからず」(コッローデイ『ピノキオ』)と他著書(『世界は一冊の本』)で一度既読ではあったが「ファーブルさん』(『昆虫記』)と更に「ぼくの祖母はいい人だった」(ゴーリキイ『幼年時代』。再読必須本。

2017/04/13

なんとなく元気が出ないので、きれいな言葉を感じたいと選んだ詩集です。とても良いひとときでした。温かくておおらかで優しい。自己嫌悪で尖っていた心が少しまるく削れました。わたしもおおらかになりたい。優しい人になりたいです。

2016/12/05

Shoko

美しい言葉に心打たれ、想起される情景の鮮やかさに、ほっと吐息が漏れるような。ただ美しいだけではなくて、力強く、訴える力を持った言葉たち。忘れてしまったと思っていた景色が目の前に浮かび上がってくるような感覚。はたまた、忙しい日常の中で実感する余裕のない、「自然との一体感」のようなものを懐かしく、思い出させられるような。沈黙や静けさの中に広がる世界に想いを馳せる。 清浄な空気を胸いっぱい吸い込みたくなるのと同じで、美しい言葉に焦がれることがある。そんな時にはこの詩集を読み返そう、と思いました。

2017/05/09

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