立原道造詩集 (ハルキ文庫 た 14-1)
立原道造詩集 (ハルキ文庫 た 14-1) / 感想・レビュー
匠
初めて立原道造の詩に触れたのは小学生時代の参考書だったと思う。あらためて詩集を読むと、その純朴さ、透明感、爽やかさ、やさしい人柄を垣間見て、24歳という若さで亡くなられたことを惜しく思う。この方のもっとダークな詩や枯れた言葉なんかも読んでみたかった。短いながらずっと脳裏に焼きついているのは「長いまつげのかげ」「僕は」「昔の夢と思ひ出を」 ほんの4行ほどの中に奥行きを感じさせるドラマがある。きっとこれからも記憶に残り続け、僕は度々読みたくなるのだと思う。
2014/05/20
KAZOO
立原道造の手に入れた3冊の本の1冊です。やはり夭折したということで若い人の純粋な気持ちがこの詩にあらわれている感じがしました。私のような年寄りになるとどうしても若い頃の感じが思い出せなくなってしまいます。この文庫版は若い人向きになっているのですが非常に内容と合う感じがしました。
2017/11/30
井月 奎(いづき けい)
神や自然の声は重なり木霊して、私には風の音、川のせせらぎとしか聞こえません。詩人はそれを言葉に、詩にします。詩とは形のないものに与えた形であろうと思うのです。やせっぽちの立原は病んだ胸をかえりみることなく詩作に命を捧げます。建築家でもある彼は形にこだわります。ソネット形式を得意とするのはその表れでしょう。天地の霊を言葉にする、不可能と思えることをやってのけた立原は、力を使い尽くしたのでしょう。早逝してしまいます。短い彼の人生はしかし、今でも輝きを失いません。彼の詩を読み解くのは私の大きな喜びなのです。
2016/01/23
Gatsby
親父が若かりし頃大好きだった詩人の詩集を読んだ。私も若いころ読んだことがあったが、当時は甘すぎてなぜか好きになれなかった。歳をとって逆にそれも受け入れられるようになったのか、気に入った詩を何度も音読してみた。わたしは、卒論も19世紀小説だったし、あまり詩に対する理解が深いとは思わないが、言葉の美しさとともに、読んだ時の音の美しさにも惹かれる。歳をとると、食べ物の好みも変わるが、書物に対する好みや捉え方も変わってくるようだ。
2010/12/19
佐島楓
明るい朝のさわやかな空気と青空、夜に沈む眠りの中での孤独、ふたつのコントラスト。さびしく綺麗な世界。
2012/09/07
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