ナナイロノコイ (ハルキ文庫 え 2-2)
ナナイロノコイ (ハルキ文庫 え 2-2) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
7人の女性作家による恋をめぐる物語7態の競作アンソロジー。巻頭は江國香織「ドラジェ」。これが今回のベスト。途中で視点が代わる斬新な手法。恋の残酷と時期を失した寂寥感を描く。続く角田光代は、おばさんの世間話のレベル。日常に終始していて、恋の持つ非日常と震えがどこにも見られない。井上荒野は、ここでも一定の存在感を示す。谷村志穂は、柄にもなく無理をし過ぎて身に沿わず。藤野千夜は芥川賞作家とは思えない低レベル。ミーヨンは初読だが、物語として優れた要素はあるものの、会話が破滅的。唯川恵はまるで素人。
2021/07/25
まつこ
恋愛アンソロジーは私にとってブレイクタイム本。ただこの本は惹かれるというより引きずられる作品ばかりでした。角田さんの『そしてふたたび、私たちのこと』。歳とって回想したら同じことを浮かべそうだなと。反対に谷村さんの『これっきり』は昔の自分を重ねました。年齢を経るごとに友人(と呼ぶか怪しいけど)が変わっていったなと。ミーヨンさんの『くらげ』は、「ひとはみんな自分という文化をもっているからね」という一文に首肯。印象深いです。唯川さんの『手のひらの雪のように』は幸せを見つけられた主人公に最後やっとホッとしました。
2015/02/16
けいこ
あれ、期待して手に取ったものの、心に残る作品に巡り合わず。強いて言えば井上荒野さんの、ちょっと陰がある雰囲気の作品が好み。久しぶりの唯川恵さんに期待したけれど、浅すぎてビックリした。でも他の方のレビューでは評判いいのね。読む時期が悪かったのかな。辛口ゴメンナサイ。
2023/03/31
あいあい
ずいぶん前に買った本。7人の女性作家による短編集。ちょっとした時間で1話ずつ読めるのが良い。タイトルから連想する恋愛ものばかりではなく、恋愛のうえに乗っかった友情の行方だったりもする。個人的には角田さんの「そしてふたたび、私たちのこと」、藤野さんの「ビルの中」、最後の唯川さんの「手のひらの雪のように」が良いかな。
2015/04/30
佐島楓
七人の人気女性作家が書く、七色の恋。どの物語も、女性の不可解さ、男性の不可解さ、そして恋愛の不可解さについて描いている。不可解なものだからこそ、入り組んだパズルを解くような楽しみもあるのかもしれない。とびきり難解なパズルだと思うけれど。
2014/04/16
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