さぶ (ハルキ文庫 や 7-8 時代小説文庫)
さぶ (ハルキ文庫 や 7-8 時代小説文庫) / 感想・レビュー
紫 綺
新潮文庫にて読了。究極の友情と愛情を見た。
2017/10/27
井月 奎(いづき けい)
雨の中、泣きじゃくりお店から逃げ出したさぶを英二が追いかけて、落ち着かせる。その二人に傘をさしかけるおのぶ。物語の最初に現れる主人公の三人はこの時点で見事に性格描写がなされていて、山本周五郎に力量が並みでないことが分かります。そしてこの物語の風味が絶佳なことは類をみません。人の世の理不尽さと恐ろしさを書きつつも、生きていくことへの希望を抱かせて、命への賛歌を高らかに歌い上げます。物語を読み終えた後になぜ題名が『さぶ』なのかが驚きとともに分かります。人を書ききった稀有な物語がここにあります。
2017/07/23
yuko
登場人物の心の変化が丁寧に描かれていてその世界に引付けられました。つっぱっていた栄二が世の中を知り成長し、人を許せるようになり、最後はそんなことまで許せるようになるとは…解説の「人間の究極のすがたを求め続けた作家」という言葉を、なるほどと思いました。さぶの明るい台詞で締めくくられて、ほっとした気分になりました。
2016/04/08
Nak34
感動の名作かというとそうではない。ただ、人がどうあるべきか、考えさせられる。最後に、救いがあるので良かった。不幸のままだとやりきれない。さあ、今から、幸せを掴む番だよ。ちばりよ〜。
2011/03/05
matsu04
非権力側の視点に立つ重厚で本格的な時代小説と言える。
2012/02/03
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