松谷みよ子童話集 (ハルキ文庫 ま 12-1)
松谷みよ子童話集 (ハルキ文庫 ま 12-1) / 感想・レビュー
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個人的好みは『おしになった娘』。自分のわがままのため父は罪を犯し、娘は悔恨もあり口を閉ざす。それでもキジが撃たれたとき発する声に彼女の強い思いが見える。他、箱に閉じ込められず自由に生きていくことへの渇望が心に響く『こけしの歌』、子どもを失った母の悲しみが胸を刺す『貝になった子ども』、生きるため兵の骨を持ち帰れなかった無念が悲しい『おいでおいで』、人と子熊の思い双方わかるだけに苦しげな『センナじいとくま』、寓話風の話が面白い『カナリヤと雀』、米軍基地を童話風に焼き直したのが新鮮な『草原』の順で楽しめた
2024/02/24
星の王子さま
絵本「いないいないばぁ」の著者の童話集。 絵本の世界観とは逆で、戦争の悲惨さや命の尊さを淡々と描いていた。 人間の自由をテーマに描かれた、「カナリアと雀」が一番印象に残った。
2015/05/18
7a
好きな話はいくつかあったけど恐らく255文字では書ききれないのでお気に入りの一編だけ。童話集なのだけどひとつだけエッセイのような話がある。それが「黒ねこ四代」。松谷さんの飼い猫との生活を綴ったもののようだ。ここには食いしん坊の子猫クーが出てくるし、クーと無邪気に遊ぶ小さな女の子が出てくる。「あーちいさいモモちゃんだぁ」と嬉しくなった。
2011/10/29
鳩羽
貧しさが辛い。戦争も自由じゃないことも、辛い。簡単に人も動物も生き死にを決められて、それが覆ることはない。だからこそ、日の光や草花に慰められたり、ちょっとした詩や歌に感動する。
2011/03/30
ぶたまん
戦争に巻き込まれて暗くなって行く作者の心と童話の内容が密接に関係していることが、あとがきに書かれていて納得。そのような感情で書かれた童話はどことなく重たい。
2014/09/29
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