疾走 下 (角川春樹事務所 ハルキ文庫)
疾走 下 (角川春樹事務所 ハルキ文庫) / 感想・レビュー
hanchyan@だから お早うの朝はくる
「自分にとって好ましい人たちは、いつまでもずっと、平穏で幸せに暮らしてゆくものだ」ていう感覚を、なんとなく当たり前のこととして我々は日々を生きている。けど一方で、どんなに大切な人もいつかは必ず、死ぬ。これもまた明確な事実だ。東さんの小説には、どれをとっても沢山の「好ましい人々」が登場し、そのうちの何人かは、読み手が全く予想もしないタイミングで非業の死を迎える。メメント・モリが緊張感を担保して生まれるリーダビリティ。読み終えたら顔を上げて、周りを見てみよう。大切な人たちが平穏に生きてる、素晴らしい世界を。
2022/04/24
マムみかん(*感想記入少なめです*)
テンポよく一気に読了。 特に、ラスト30ページの「疾走」は手に汗握ります! 核絡みの施設の秘密主義や隠蔽体質、その巨額の利権に群がる者たち。 警察やマスコミ上層部の不透明な繋がり。 現実にありそうな問題が、痛烈に皮肉られていました。 便利屋〈俺〉や私立探偵・畝原が、シリーズを越えて競演するのもワクワクです。 この後、健三はどこに行くのか…? 「カムバ〜ック!健三~~!!」☆
2012/06/06
ゆみねこ
低レベル廃棄物処理施設えびす、そこで見られては困る惨状を目撃し、命を狙われる恵太と純江。実際に核に関することなら、闇から闇に葬るようなことがありそうな話で。2008年にこの作品を書いた作者の視点に驚く。榊原さん、恰好良すぎる!
2011/09/08
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
子供が育った分、始末屋の憲三も歳をとる。昔の殺しの腕の切れはなくなったけど、他のシリーズのキャラも協力して、この作者の本をいろいろ読んでいる人には嬉しい作品に仕上がってますね。それにしても、この調子だと、青年になった恵太を主人公にまだ続く気がします
2013/03/05
眠る山猫屋
なぜ画像すらない(怒)そんなことはさておき。頑張る榊原さん、頑張る放送局、頑張る少年少女。話はちょっと大袈裟ながら、原発に関わる闇を目撃してしまった子供たちに迫る魔手。思う存分闘えない榊原さん。思う存分助けにいけないしがらみだらけの男たち。時代に流されざるを得ない大人たち。そして小山内のありふれた狂気。 ラストの疾走には苦笑気味ですが、一気呵成に読むことができる作品でした。
2011/09/07
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