天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-12 時代小説文庫)
天の梯 みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-12 時代小説文庫) / 感想・レビュー
starbro
「ダ・ヴィンチ」BOOK OF THE YEAR 2014 第2位だったので、図書館で予約しましたが、半年以上待ってようやく読めました。高田郁も「みをつくし料理帖シリーズ」も初読です。和食は泰平の江戸時代に大半が完成していたんだと思います。実際に女性の料理人がどの程度いたのかは解りませんが、主人公の澪は活き活きと魅力的に描かれています。10巻で完結のようですが、機会があれば既巻を読んでみたいと思います。それにしても読書メーターでこれだけ登録してあるとは・・・凄い人気です。
2015/07/28
Yunemo
いろんな苦難がありました。胸の奥底の「食は、人の天なり」が自分の支えの言葉。この時期珍しい女料理人を囲む人々の人情味。味わい深く堪能させていただきました。5年前、「八朔の雪」を手に取った時、まさかここまで広がるとは、の思いに駆られます。当初、圧倒的に中高年者に読まれた、との書評が記憶に残っています。苦しみながらも心を通して生き抜く力強さ、厚い雲を突き抜けいろいろな難苦が解決する際の心地よさ、その時期時期の料理の豊富さ、いい意味で思い起こすこと多し。「やっぱりいいものはいいんだ」、そう真に想えて読了です。
2014/08/17
zero1
完結に感慨無量。旱魃で食材が手に入らず。子を抱え苦境の美緒に清右衛門が助け船。一柳行きを断る澪は鼈甲珠で勝負。しかし道は遠い。つる家を手伝いながら徒士から弁当の依頼も受ける。政吉の料理は客に通用する?臼の涙にもらい泣き。後半は佐兵衛が料理から逃げる理由と登龍楼の関係。この結末は作者の作戦勝ち。普段は冷静な芳が澪を拒絶した場面は秀逸。再読でも新鮮に読める。この巻のMVPは佐兵衛を助けたあの人。文政11年の番付が付録。これだけの大河ドラマを楽しませてくれた高田に感謝!読まずに死ねるか。特別巻あり。
2019/09/06
yoshida
ついに完結です。これほど長い期間、楽しませてくれて、時にはささくれた心を癒してくれた作品集は他にありません。最終巻で見事に回収される伏線。今までの苦難を努力で乗り越えてきた澪は、成長し「雲外蒼天」に至る。謎は解け悪事は暴かれる。澪と、澪を囲む人々がそれぞれの心星を見つけ綺麗に収まってゆく。この作品集を読んで思う事は、シンプルだが逆境や困難に立ち向かう事の大切さ。現実は甘くない。どうしようもない事もある。しかし、困難に直面した時に、何とか努力してみようという灯火を持たせてくれる。素晴らしく暖かい作品集です。
2016/07/19
もんらっしぇ
思い起こせばかれこれ数年前、某日某所での著者のサイン会にて、こんな質問が。「先生、NHKのドラマ、みをつくしの続編ってあるんですか?あの終わり方だと中途半端な気が…」そしたら高田郁さん、とっても明るいお声で『わたくしの口からは立場上はっきりとは申し上げられませんが…あのドラマはスタッフ・出演者ともにすごくチームワークがよくって、ぜひ次回作もっていうことなんですよ~!』との前向きな発言。嗚呼あれから幾年月耐えに耐えw昨年末にはやっとこさ待望の続編 華ちゃんの澪ちゃんに逢えました♪で、次回作はいつでしょう?
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