群青のタンデム (ハルキ文庫 な 16-1)
群青のタンデム (ハルキ文庫 な 16-1) / 感想・レビュー
ナルピーチ
戸柏耕史と陶山史香、二人の警察官人生をこの一冊に凝縮した連作短編集だ。良きライバルとして若き交番勤務から紡いでいき、各話を追うごとに出世した二人は年を重ね、やがて定年を迎える。構成は面白いのだが、読んでる話がどの年代の頃なのか、時の流れがいまいち掴めなかったのが残念…。そして賛否両論に別れるエピローグは個人的にはやはり物悲しさを生む。装丁に佇まう二人の姿が全てを物語っているんだなと思う。
2021/04/29
mr.lupin
長岡弘樹さんの著書四冊目読了。長岡さんと言えば「教場」のイメージが強く、何となくその感覚で読み進めてしまったせいか、今一つ盛り上がりに欠けてしまったような読後感だった。読みやすかったけど心には残らない作品かな。しかし、警察官が悪いことをすると言うのは何ともやりきれない気分になるな。☆★★★★
2020/05/22
nemuro
一昨年4月26日、『麦本三歩の好きなもの』から始めてみた「自宅本棚の本のタイトルによる“しりとり読書”」も3年目に突入。そんな“しりとり読書”の50冊目が本書。「ベストセラー『教場』シリーズ、『傍聞き』などで今最も注目を集めるミステリ作家・長岡弘樹の警察小説、待望の文庫化」とのこと。キムタクが主演のテレビドラマの方は観たことがあるのだが本では縁がなくて、たぶん初遭遇。警察学校同期の戸柏耕史と陶山史香。二人の交番勤務から幹部となり定年退職するまでを追っての連作小説集。出来過ぎな展開もなくはないが悪くない。
2021/04/27
きっしぃ
長岡さんは割と読んできたけど、これは微妙。伏線がわかりにくいというか、あからさますぎるというか、エピソードがバラバラすぎて、まとまってない。唐突な結論に、どうしてそうなったのかが、わかりにくすぎる。一話目から、これ本当に長岡さん?てくらい読むの苦痛だった。耕史と史香の関係もなんだか理解しがたい。
2017/12/08
しんたろー
人情ミステリ『傍聞き』が私にはドストライクだった長岡さん……今作はある意味冒険的な作品だと思った。若い男女の警察官が互いを意識しながら歳を重ねてゆく連作短編で、年代毎に人生の機微や運命の悪戯を描いている。各事件での切ない想いや男の不器用な恋心は良いが、場面転換の唐突さや時の移り変わりの早さに注意深く読まないと置いてきぼりにされる恐れもある。伏線の張り方も叙述トリックに近いもので賛否両論は当然。ラスト数行の種明かしは驚愕!とは言え、素直に評価し難い気持ちにもなる。筆力が高い人という事は再認識できた。
2016/09/21
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