KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33)

作家
小松左京
出版社
角川春樹事務所
発売日
2018-06-13
ISBN
9784758441780
amazonで購入する

新装版 果しなき流れの果に (ハルキ文庫 こ 1-33) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ざるこ

恐竜が岩壁の合間から聴こえる音に気付くプロローグだけでグッと引き込まれる。そして現代で6千万年前の地層から出土した永久に砂が落ち続ける砂時計。謎を投げつけられた後に突如迎えるエピローグ(その2)。そこから約10億年の時間を使って過去、未来、宇宙とさまざまな時間軸で「果てしない」を痛感する恐ろしいほど壮大な物語。意識を超越した「上の者」=神の存在を匂わせる。最後に迎えるエピローグ(その1)に行き着くと人間愛の物語とも言える。60年前の作品とは思えない!一気読み出来なかったことを激しく後悔する作品。再読必至‼

2018/12/07

Shun

SFの魅力的なテーマに”時空”という概念がある。そんな大作に相応しいテーマで人智を超えた何ものかとの争いを描き、氏の他の作品にも言えることだが本作が1966年に上梓されたとは思えないクオリティに崇敬の念を感じます。さて私たちの生活圏内では「時の流れ」はほぼ一定であると認識でき、それ故に普段は標準時間という世界共通の基準に縛られることで認知的な混乱は起きていない。しかし、もしもある時発掘された砂時計が永遠に砂を落とし続けていたらどうだろう?この遺物の背景に人智を越えた畏怖すべき何かを想像できないだろうか。

2021/12/30

まちゃ

初版が1965年。宇宙と人間の関係をテーマにした作品。半世紀前のSF作品とは思えないスケール感で興味深く読了。

2020/02/11

おにく

久しぶりに骨太のSFを読んだ心境です。時間を自由に行き来できる未来人の抗争に巻き込まれた物理学者、野々村は彼らの争いに巻き込まれる内に、過去から未来、そしてその先にある未知の世界を垣間見る事になります。深遠なテーマを含み、重い内容に見えますが、古代から現代に至る奇妙な事件が、未来人の介入によるものだというアイディアに、超常現象やオカルト好きは思わずニヤリとするはず。人類の末路や、未来人たちの抗争、野々村が恋人の待つ時代に戻れるのかといった伏線が、きちんと回収されているのは、筆者の力量だと思いました。

2018/07/22

特盛

評価3.7/5。1965年の小松左京作品。「中生代の地層から、なぜか砂時計が発見された。しかも、この砂時計、無限に砂が流れ続ける代物だった。理論物理学研究所の助手野々村浩三は番匠谷教授らと共に砂時計の見つかった葛城山麓の古墳へ向かう。」こんな序盤から始まり、果ては壮大過ぎる話に。このスケールの話は過去読んだSF作で一番大きく深いかもしれない。ただ、中盤以降は頭に入りにくく難儀し何度も挫折。終盤は濃密すぎて呆然、禿げそうになる。作者の後書きには読感まんまの苦労が伺え納得。これはまた再読せねばなるまい。。。

2024/06/01

感想・レビューをもっと見る