菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿 (ハルキ文庫 ほ 5-3)
菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿 (ハルキ文庫 ほ 5-3) / 感想・レビュー
しんごろ
読んでて、川越という町は、穏やかで時の流れがゆったり流れているのだろうかと思い、行きたくなることはもちろんのこと、住んでみたいとも思う。縁が縁を呼び、守人の能力のルーツも川越の町と繋がり、桐一葉もまた登場、そして、三日月堂の悠生さんも登場。別シリーズとも繋がり、縁の繋がりをより強く感じる今作でしたね。静寂の中に温かさと優しさがいっぱい詰まっていて、心が洗わされ優しい気持ちになれました。
2020/06/21
しんたろー
第3巻は守人が自身の生き方に気付く話になっていて、主人公らしくなってきた…3つの話は、温かな人情が根底にあって、先人たちとの結びつきや周囲との繋がりが、川の流れのように描かれていて、それが守人にフィードバックされているからだろう。「自分のやりたいことを探していると答えが出ない。人の役に立つ(人に喜ばれる)生き方もあるのではないか」というメッセージに考えさせられた…正反対の道を歩んできた私だが「そうだよなぁ」と思えた。ファンタジーを織り交ぜた雰囲気、川越の素敵な描写、べんてんちゃんの前向きな性格が魅力的💛
2020/08/19
へくとぱすかる
修士課程のあと守人はどうするのか、という進路の迷いと、家の声を聴くという幻想小説としての一面、3番目には起業・町おこしのシミュレーションとしての物語。テーマの群がこの先どのようにからまっていくのかに注目すべきだろう。時代は現代だが、古民家、切り絵や養蚕など、扱われるものがすべてレトロさに彩られているために、古い小説を読んているような感覚。とはいえ2020年の作品です。第3話は例の活版印刷・三日月堂が出てきて、まさに川越ほしおワールドとでも言うべき作者の創作世界。シリーズの境界を越えて、つながりを楽しんだ。
2021/05/15
シナモン
川越を舞台にした月光荘シリーズの3作目。言葉にすることで抱えてるものが軽くなる…これまで自分の感情をあまり出さない守人だったけど、田辺くんとお互いの過去を語り合う場面にじーんときた。無理に決めるのではなく、自然と目の前に道が開ける…そんな将来が守人に訪れるといいな。終盤、三日月堂が出てきてドキドキ。川越、今回もほんとに素敵な町でした。
2021/04/27
寂しがり屋の狼さん
川越の『町づくりの会』によって二軒家は昭和の生活を紹介する資料館に改修されることに。片付けのボランティアに参加した守人は、家の声の導きで、天袋に収められた七段飾りのお雛様を見つける。しかしなぜか、三人官女のひとつが欠けていた。雛飾りの持ち主を探す守人たちは、二軒の家に暮らした家族の想いに寄りそってゆく、過去を知り、未来に向き合う力へと変えつつある守人の歩みを描く。シリーズ3作目(◕ᴗ◕✿)今回は『三日月堂』に『桐一葉』も登場!
2024/10/19
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