恋狂ひ (ハルキ文庫 う 11-1)
恋狂ひ (ハルキ文庫 う 11-1) / 感想・レビュー
アッシュ姉
単行本『いきぢごく』の改題。四十歳を過ぎても身勝手な恋愛を続ける鞠子に友人は聞く。「ねえ、なんでそんなに女であることにしがみつくの?」いや、まさにそのとおり。よくぞ言ってくれました。幾つになっても色恋に溺れる様子を冷やかに流し読みしていたら、終盤ようやく宇佐美さんらしい展開が待ち受けていて放り出さずによかったと安堵。うーん、でももうちょっと短くてもよかったような。
2021/09/21
うまる
幾つになっても女である事を前面に出して生きる女と、罪を懺悔しながらも女である事を捨てられない様が書かれた遍路日記がリンクしてくる異様な雰囲気が巧いです。そこは興味を引くものの、宇佐美さんなのに怖い系じゃくて恋愛ものだったのかと少々残念に思っていたら、終盤の展開にビックリ。あぁー、なんで気付かなかったんだー!と叫びたくなりました。全然予想してなかったのでとても面白かったです。本でもドラマでも、愛憎ドロドロとか情痴ものは好んで見ない為どっと疲れましたが、最後が楽しかったので読んで良かったです。
2021/09/09
hrmt
宇佐美作品3作目。『いきぢごく』改題。四国の元遍路宿で見つけた80年前の日記には、妻ある男を愛して焦がれた恋しさから男を殺してしまった女の情念と欲望が綴られていた。鞠子はその生き様を、姉の夫を恋うるあまり、若い恋人を受け入れられず自殺へ追いやってしまった自分の業とを重ねて辿る。渇望し恋に狂った心と身体はままならない。人の道を外れ、それが地獄への道行きだとわかっていても立ち止まることができない。欲望に忠実であることが醜態とは思わないけれど、最後に見せられた業に、人間の怖さと底知れなさを感じました。
2021/08/08
ピロ麻呂
最初はアラフォー女性の旅行代理店お仕事小説かと…そして、年下男性と恋狂い💦姉の旦那と恋狂い👿そして予想外の結末…読むのに時間がかかった😆
2021/06/27
reo
宇佐美まことさんの著作は、ほぼ全作品読んだ筈だったのに、この『恋狂い』は何故読んでなかったのだろう?かと思い読み始める。ん?既読感があるぞ、これは『いきぢごく』なのではないかと思い巻末の解説を読むと、やはりそうだった。以前読んだとき、かなりの衝撃💥を受けたのと、結末が思い出せなかったので再読する。アァ〜やはり!いきぢこくや~鞠ちゃんそっちに行ったらアカンて〜。結末は❗ああ❕そやったんや~🤔ということは、全編覚えてなかったちゅうこっちやな🤪再読でも楽しまさせてもらいました✌️
2023/03/27
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