そこにはいない男たちについて (ハルキ文庫 い 19-3)
そこにはいない男たちについて (ハルキ文庫 い 19-3) / 感想・レビュー
しんごろ
愛する夫を喪った実日子、夫が大嫌いになったまり、料理教室を舞台に二人の視点から綴られる。実日子とまりの心理描写が巧みでお見事で、作者は喪った経験も冷え切った夫婦生活も経験してるのと思ってしまうほどリアルさを感じた。自分としては、まりの気持ちはまったくわからないしついていけないから、光一の判断は間違いないと思う。亡くなった俊生、いつも実日子の心にいてくれてる。俊生がこの物語で一番救われてるのかもしれないのかな。これぞ男と女のラブゲーム。個人的には何度も再読したくなるような名作だと思う。
2024/01/27
coco夏ko10角
愛する夫を亡くした実日子、夫のことが大嫌いになったまり、二人の女性の物語。今まで読んだ井上荒野さんの作品の中でもこれすごく好きだな。実日子の心と空間の喪失、描写がうまい。そして大嫌いな夫と暮らしているまり、前半で「そこまで嫌いなら離婚すればいいのに」と思ってしまっただけに後半の展開や心情の読み応えすごい。原田ひ香さんの解説もよかった。
2023/09/30
野のこ
まりと実日子先生とどちらがかわいそうだろう?そこにいるのにいない男なのかそこにいないのにいる男なのか。ふたりの心理描写が共感するようなしないようなだけど、なぜかまり目線だった笑。料理やお酒の描写が多くて細かいのも好き。ワイン飲みながら楽しく読みました。読みやすい、好き。再読。
2024/05/13
こばゆみ
夫と冷え切った関係のまり、夫と死別した実日子、それぞれの視点から物語が進む。「そこにはいない」というのが、物理的になのか、精神的になのか、どちらのほうがツライかな〜と考えながら読んだ。何か明確な結末があるわけじゃないけれど面白い。そして原田ひ香さんの解説が、井上荒野愛に溢れていてとても良かった(笑)
2022/08/07
さき
このタイトル、読んだ後で、なるほど!と思いました。 まりの心理→どうしてあんなにきらいな夫と別れなかったのか。私は夫のことをずっときらいでいたかった。だから別れなかったんです。って。そんな事考えた事もなかったけど、そういう心理もあるだろうなと。2人の主人公はどちらが不幸なんだろう、と考えさせられる作品でした。
2023/06/15
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