代筆屋
代筆屋 / 感想・レビュー
ひらちゃん
辻さん御本人が代書屋をしていたのかと勘違いしてしまいました。設定が小説家だったもので…。それはないですね。ミュージシャンだったんだもの。手紙といえ文才が問われるもの。どんな時にも本人の気持ちを伝える代書には言葉もありません。本人以上に本人になって書いた手紙には心打つものがありました。代書した孫からの手紙にきた祖母からの手紙。祖母は分かっていたのでしょうか?どの手紙にも精一杯の気持ちが詰まっていました。
2017/11/16
くみくみ
若手の編集者の今の時代だからこその手紙の本をとの依頼に代筆屋の小説が生まれる。どのようなきっかけであれ出会ってしまえば、立派なはじまりとなる。感謝ができること、間違いなく幸福のあかし。感謝だけが人生を意味深いものにする。過去に囚われず、未来に縛られず。気がついたら改善しなければ。そうじゃないと同じことの繰り返し。人間は誰しも内側に素晴らしいものもってる。怒りは愛情。ありがとうとばかやろう、感謝と文句を秤にかけたらいい具合に釣り合い取れてる。いろんな代筆依頼ありましたが、私は自分で手紙を書きたいかな。
2018/04/07
美登利
辻さんご自身の体験なのかな?と思ったりやはり違うのかなと考えたり。出てくる人物は割とわがままで、自分勝手な人が多いようで少し腹立たしさも感じましたが、手紙の持つ力というのはありますよね。書いた人の気持ちを相手に伝える為に様々考えて代筆する、難しいことですね。実は高校生の頃、友人に頼まれて文面を書いたことを忘れてました。あの頃は文通や交換日記などをやっていたし、自分でも物語を書くのが好きでした。今はそれこそ年賀状ですら、印刷で済ませてるのにな。辻さんは小説でもとても色々な引き出しのある人だと改めて思います。
2014/06/20
TANGO
図書館本。書くのは大変、だけど、やっぱりもらうと嬉しい「手紙」。「純然たるハンドメイド」で、「自分だけに向けられたメッセージ」は、何物にも変えがたい。恋人、母親、老人、友人などなど、様々な立場から代筆された手紙。そのあとどうなったかは、読者に委ねられていたが、気持ちはきっと届いたのだろう。「手」と「紙」で出来た物語は、今日も誰かに届く。
2014/06/15
あつひめ
郵便受けにコトリと音をたてながら入っていく手紙を連想して、封を切る人はどんな気持ちだろう・・・と受け取る人の事を考えた。恋心を伝える手紙、別れを切り出す手紙・・・手紙を送る方は想いを伝える事ができてすっきりする半面、受け取った方は重たい気持ちを抱える時もあるかもしれない。手紙は書いてから投函するまで、また相手に届くまでたっぷり時間がかかる。その間に心を整理する事もできる。代筆屋・・・あまり賛成はできかねる。つたない文章でも自分の文字や言葉で伝えて欲しいから・・・。ありきたりだけど、手紙を書きたくなった。
2010/07/13
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