天空の玉座: 中国古代帝国の朝政と儀礼 (叢書歴史学と現在)
天空の玉座: 中国古代帝国の朝政と儀礼 (叢書歴史学と現在) / 感想・レビュー
飛燕
朝議などの朝政、元会儀礼の詳細な分析を行うことで、皇帝権力と帝国の性格を把握しようと試みる。特に元会儀礼における貢献に着目。貢献物は中央に礼物として貢納され、更に中央が蓄積・加工したそれらを再分配することで初めて意味を有する。そしてかかる互酬性を通じて、皇帝と地方・夷狄との従属関係が確認・更新され、同時に帝国の全体的秩序が維持される。その秩序とは帝国内における自己生産―自己消費の再生産構造(「帝国オイコス」)である、とする。難解な箇所も多いが、朝議や元会儀礼に分析は非常に参考になる
Oltmk
漢代から隋唐期までの中国王朝における会議はどのように扱われ政策を決定したのか、儀礼的秩序や元会儀礼における帝国的秩序などを研究している書籍。他の人が指摘しているようにこの書籍には難解な所が多く、また研究している題材が一種マニアックとも言えるため中国王朝における祭祀儀礼などに興味を持つ人間ではないと厳しいのではないかと思う。ただ、この本でしかあまり取り扱わない題材とも言えるため第一章の朝会の構造は中国王朝においてどのように政策が決定されたかを知るためには重要だと考える。
2018/08/27
ファルコ
いわずとしれた渡辺信一郎氏の著書。とくに専制国家の政策決定がさまざまな会議をへて決められていたことを明らかにした点は面白い。ただし永田英正氏の集議論文との相異点がいまいちはっきりしない。
2018/05/31
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