横溝正史ミステリ短篇コレクション4 誘蛾燈 (横溝正史ミステリ短篇コレクション 4)
横溝正史ミステリ短篇コレクション4 誘蛾燈 (横溝正史ミステリ短篇コレクション 4) / 感想・レビュー
HANA
横溝正史の非名探偵シリーズ四巻目。先の巻同様、怪奇あり活劇あり諧謔あり憂愁ありと多彩な内容となっている。「妖説血屋敷」や「舌」「誘蛾燈」の薄気味悪さが個人的には好きだが、それを読んだ後で戯作風なコント「身替り花婿」を読むと著者の引き出しの多さに驚かされる。あと「鬼火」のアーキタイプも収録されているけど、なぜこの部分だけ別になっているんだろうか。ただどの作品もロマン溢れる造りとなっていて、このロマンティズムが戦後に本格の骨子と結びついて大輪の花を咲かせる事になるのかと思うと、どの話も愛おしく感じるなあ。
2019/01/01
keroppi
最後に収録されている「湖泥」を読んでいて驚いた、あれ、これ、「鬼火」じゃないか。「鬼火」の後半が「湖泥」として発表されていたということだ。「鬼火」は、何度も書き直されていたということは、このコレクションの第2巻で知ったし、オリジナルと合わせて読んでいたが、またここで出てくるとは。横溝正史のこの作品への並々ならぬ想いを感じた。このコレクションの編者、日下三蔵氏の想いも。そして、この巻も、横溝正史のディープな世界を知ることが出来て楽しめた。誘蛾燈に誘われる蛾のように、横溝正史の妖しい燈に惹かれてしまう。
2018/06/05
ぐうぐう
『横溝正史ミステリ短篇コレクション』は、この第四巻から後半となる。編者の日下三蔵曰く「第三巻までをA面とすれば、第四巻以降はB面に当たる」らしい。四巻には再び戦前の作品が収録され、その内容は本格もあるものの、怪奇色の強いものや、ユーモアを感じさせるもの、活劇っぽいものなど、本格推理の旗手の一人となって戦後の探偵小説を牽引した横溝正史になる前の、なんともバラエティに富んだラインナップで、そういう意味では確かに裏面、マニアックな作品が揃っている。(つづく)
2018/05/29
まさ☆( ^ω^ )♬
このシリーズもいよいよ後半戦の第4巻まで来ました。昭和11年〜15年頃に発表された17篇の作品群は、バラエティ豊かでどれも非常に面白かった。巻末付録の著者エッセイ?も良かったです。第5巻も読むのが楽しみです。
2021/05/10
山猫
角川文庫版で横溝ファンとなった者も今や悠々自適なはず。こういうものを読み直すにはいい時期だ。
2018/11/11
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