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「日本の伝統」の正体

「日本の伝統」の正体

「日本の伝統」の正体

作家
藤井青銅
出版社
柏書房
発売日
2017-11-23
ISBN
9784760149339
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「日本の伝統」の正体 / 感想・レビュー

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♪みどりpiyopiyo♪

生きている文化は常に変化し続けるものだよね。変化を拒否した時点でその文化は半ば死んだも同然。なので、長く続いてるから素晴らしく、短いから価値がないという事は無いと思います。■…が、近頃ちょっと「伝統」という言葉の乱用が目に余るとも感じていて。虚構の「伝統」を振り回して 誰かに忍従を強いたり、他者を馬鹿にして上に立とうとするのは良くないよね。■…という訳で、この様な一般向けの解説書が出るのはとても良い事だと思います。「伝統」でマウンティングしてくる輩は、鼻で笑って往なしていきましょう♪ (2017年)(→続

2018/01/06

アキ

京都3大祭りのうち、最も古いのが6世紀半ばから行われている葵祭りである。祇園祭は9世紀半ば、時代祭は明治28年から。「京都マジック」で京都のものは古い由緒があると思い込みがち。各地域で「旧国名+○○」も伝統感が増す。空海がうどんを平安時代に伝え、江戸時代にうどん店が盛んになるが、「讃岐うどん」のネーミングは1970年代頃から。初詣も鉄道が発達してから鉄道会社の宣伝と共に大衆に一般化したものなので明治30年代頃から。戦後にイメージを植え付けられ、昔からそうだったと思い込んでいるものがとても多いことを知った。

2020/02/19

oldman獺祭魚翁

ネット等で話題になった本。近年矢鱈に「日本はこんなにスゴい」論や「日本の伝統」論が目立ちます。それじゃぁその「伝統」はいつから始まったのか?を調べてみた1冊。「伝統」「習慣」の多くは結構明治以降が多いことが解る。「目からウロコ」というが、知っていた様で案外知らなかった歴史(浅いけれど…)があるのだ。「恵方巻」や「御朱印帳」など既に知っていたものも多いが、「白菜」が明治以降なのには、ちょっと驚かされた。ひとつひとつは、色々な本を読むことで学んでいけるが、こうして1冊の本になると、改めて勉強になる。

2018/02/24

fwhd8325

伝統という表現には、ちょっと弱い。なんだかありがたい気持ちになります。そんな伝統も、たかだか100年程度であれば、たいしたことないなんて思わせてくれます。みうらじゅんさんのSINCEにも同じようえもなことが言えるのかもしれません。ここから数十年経って、新しい伝統と呼ばれるものがあっても、若い頃には、そんなもんなかったと言い切れる年寄りになりたい。

2018/01/23

ばりぼー

伝統形成のパターン…「朝廷行事に起源を求める」伝統は権威につながりを求めるもの。公家行事、やがて幕府行事でも同様な効果が生まれる。「商売と結びつく」ミもフタもない話だが、それによって利益を得る人がなければ続かない。デパートの役割が大きい。「古くから存在するものを使う」使われる小道具が古いと、全体も古く見える。いかにも古そうな言葉を使ったネーミングも大事。伝統は常に遡ろうとする習性を持つ。「メディアと結びつく」新聞、出版、テレビの役割が大きい。いくつかが組み合わさることで堂々とした「伝統感」ができていく。

2018/05/24

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