横溝正史エッセイコレクション3 真説 金田一耕助 金田一耕助のモノローグ
横溝正史エッセイコレクション3 真説 金田一耕助 金田一耕助のモノローグ / 感想・レビュー
HANA
横溝正史のエッセイ集成も三冊目。本書は「真説金田一耕助」と「金田一耕助のモノローグ」並びに自伝、単行本未収録の作品が収められている。疎開中の日々を綴った「金田一耕助のモノローグ」は当地を訪れた身としては読み応え十分だが、個人的な好みは晩年のブームの日々の心境を綴った「真説金田一耕助」に止めを刺すなあ。不意のブームに戸惑う様子や悠々自適の日々、そして作品の思い出等読んでいると何ともこちらまでいい気持になってくる。巻末の自伝も明治大正期の神戸の様子が浮かび上がるようで興味深い。また片端から作品読みたいなあ。
2022/09/29
金吾
○横溝さんのエッセイを読みますと人柄がよく伝わります。特にブームになった以降の部分は赤裸々な気持ちが出ていて面白かったです。また日記も生活が偲ばれ良かったです。
2023/06/09
スターライト
〈横溝正史エッセイコレクション〉の締めくくりは、第5、第6エッセイ集を主体に編まれた。前半は角川文庫から出た同著者の本と映画とあいまって起こったブームを反映し、金田一耕助ものや戦後、本格探偵小説執筆を決意させたディクスン・カー、捕物帳、原作と映画についてなどのエッセイが中心。後半は岡山・総社での疎開暮らしの日々と生い立ちからの自身の境遇を赤裸々に綴った文章が並ぶ。彼が人生の折々に友人たちの助力があったこと、乱歩への深い恩と愛など作品が生まれた背景をうかがい知るには絶好の書。横溝正史もまた不滅である。
2022/07/28
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