十二番目の天使
十二番目の天使 / 感想・レビュー
サク
どんなに地位や名誉、財産があっても、かけがえないの家族を失っては、不幸そのもの。毎日の仕事も家族の笑顔のため、幸せのため。私も母を亡くしたからこそわかる想い。絵本『おおきなあな』と共感できる作品。家族の死という『おおきなあな』をビルの来訪と、小さな天使ティモシーとの出会いにより埋められていく。『絶対絶対絶対諦めない』という病気を持ちながらも11才の少年が野球に残りの人生をかける姿は感動。命は限られている。その命をどう使っていくかは、私たち自身の決断。最後まで諦めない勇気が心の『あな』を埋める。皆使命がある
2015/03/01
MI
主人公は妻子を亡くし、一時は自ら命を絶とうとさえ考えていた。 ある日、旧友から一緒にリトルリーグの監督の誘い。断るつもりが、子ども達の純粋さ、懸命さに惹かれ、監督になることを承諾する。 チームのなかで、守備も打撃もできないティモシーが気になる。 彼は「毎日、毎日、あらゆる場面で僕らはどんどんよくなる」と「あきらめるな、あきらめるな!絶対絶対あきらめるな」が口ぐせで自分や友達に向けて声援を送っていた。その声援が次第にチーム全体に広がり、奇跡を起こす。作者は読み手に人生を優しく諭し、その感動に涙した。
2022/11/07
katsubek
新聞書評を読んで。折しも高校野球がたけなわである。懸命に野球に向かう姿が経糸となり、そこに別れと出会いとが絡んでいく。半ばあたりで物語の行く末が見わたせるようになる。無論、見わたせたからと言って魅力が減じることはない。それを言い出したら、タイトルがもうそこへ連れて行こうとしている。だから、それはあまり問題にならない。もの足りなさを言うならば、「みんないい人」だということと、子どもたちのキャラクターがもう少し描かれてもいいかもしれないということか。「あらすじ」的な物語ではあるが、心が温かくなる。お薦め。
2017/08/10
R
絶望から再生する物語でした。主人公が、自分を取り戻していく過程も重要だが、その切欠となる少年との交流、そして少年自身の行き方について、二つの面から、生きることへのひたむきさが伺える内容でした。淡々と、物語は起伏少なく進むのだけども、よいお話でしたと、言葉少なに感想をかみしめる本だったと思います。
2019/01/19
zero1
あきらめないことの大切さを訴えた一冊。 何度も泣けて仕方なかった。 大企業の社長、ジョンは幸福だった。妻と息子が事故で亡くなるまでは。銃を前に自殺を考えるジョン。そこへ旧友のビルが少年野球の監督をしないかと持ち掛ける。 エースのトッドを得たが、体の小さいティモシーは野球が圧倒的に下手だった。 あきらめないティモシー。 その気持ちがチームに浸透し・・・ 何故、ティモシーは下手だったのか?読めば分かる。 救われたのは監督のジョンだった。 この作品、ジュニア版もある。 だまされたと思って、一度読んでほしい。
2018/10/23
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