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ときめきに死す

ときめきに死す

ときめきに死す

作家
丸山健二
出版社
求龍堂
発売日
2006-12-01
ISBN
9784763006677
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ときめきに死す / 感想・レビュー

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Bugsy Malone

元は遣手の営業マンだったにもかかわらず、自らの意思で仕事を辞め、その為妻子にも出ていかれた男。訳も分からず受けた仕事はある青年の世話。男の独白からは、一人では何も出来ない事に気付いていなからも、自分は特別だという思いからは抜けきれない激しいジレンマを感じる。だからこそ青年の存在、ひいては予測しうる目的に対し、「ときめき」を覚えてしまう。物語としては驚く事も無く、最後も呆気ないと言える。しかし、読んでしまう。面白い。それは、やはり男に対し、ある部分で「共感」してしまった結果なのかもしれない。

2019/03/25

クラミ♬

BSで久しぶりに映画を観て、原作の再生復活版が出ているのを知り、無事読了。沢田研二さん、素敵でしたわ〜。本には出てこない樋口可南子さんの役にも憧れましたがまさかムク犬の代わりという可能性もあったのか…⁉️ラストは原作の方が自然な感じで良かった。

2019/11/23

いくら

あまり読まないタイプの作品。山荘である青年の世話をする仕事を請け負った男の話。仕事も妻子も何もかも失った男の一人称なので終始鬱々としていた。ときめきの使い方が絶妙。最後の雨のシーンは情感ある心象風景のように読者の脳裏に焼きつく。

2014/02/02

れみ

避暑地の別荘で初対面の青年を世話するという“仕事”を請け負った孤独な中年男が主人公のお話。主人公が予想するようなことを青年がしようとしていたのかも定かではないし、えっ?と思うような幕切れではあったけど、主人公の“ときめき”はなんとなく理解できたかも…。そして、さらっと読めるけど軽くない絶妙な文章がとても好みだった。良かったです。

2014/01/03

ももたろう

とりあえず題名がかっこいい。栄光の一瞬を待つ若きテロリストと彼の家政婦的な役回りを担う主人公の平穏ながらも緊迫した一週間。テロの裏側を描いているようで、謎ばかり残る内容だった。結末は、始まりからずっと緊迫感で手に汗握るような描写だっただけに、予想外で拍子抜けさせられた。でも健二があの結末にしたのは何か意味があると思う。一つ思うのは主人公は傍観者にすぎなかったということ。テロを青年に任せ常に傍観者だった。しかし彼や青年のテロリズムの思想は魅力的だった。壁を壊すこと安定を捨てること。そこに危険な魅力があった。

2015/12/19

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