奪われた記憶: 記憶と忘却への旅
奪われた記憶: 記憶と忘却への旅 / 感想・レビュー
eirianda
鬱治療の電気ショック療法(ECT)の結果、一部長期記憶と幾らかの短期記憶を失った作家が、記憶に関して専門家や宗教家へインタビューしたものを纏めた本。第一部の専門的な話と患者としての苦しみはとても興味深く引き込まれた。次第に内容は宗教、というかかなり神秘主義っぽくなって、ついていくのが困難に…。しかしこの苦しみに立ち向かうのは、魂や輪廻や死後の世界に足を踏み入れないとやっていけないのだろう、と納得した。記憶が自己を作るのだから、全く奇妙で人生迷子な経験。しかも元に戻れない。
2017/01/21
echo.
某国立大付属病院ではこの電気ショック療法がかなり研究進んでて、そこの閉鎖病棟に入院してた頃は、皆(9割くらい)がそのために入院していた。ので、ちょっと懐かしさもあり。ただそのあたりの背景をすでに知ってる者としては、回復記憶と虚偽記憶のところをもう少し厚く読みたかった。インタビュー形式は読みやすい。
2016/04/19
izumiumi
面白く読めた。インタビューする相手ごとに章が別れているのだが、前半が面白い。最後の2~3章は宗教の話(少しオカルトっぽい)。オカルトは苦手だが、学者たちへの質問は、名インタビュアージョナサン・コットの上手さで読める。
2008/12/12
おだまん
電気ショックにて記憶を失った作者が模索する記憶と忘却と人生。記憶は人生。確かにそうなのですが、それ以上に忘却についての可能性をも示唆している。忘れることや認知症は悲しくつらいことには違いないのですがそれで終わってはいけない、それが人生。
2008/03/07
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