モダン・パリの装い: 19世紀から20世紀初頭のファッション・プレート (鹿島茂コレクション 3)
モダン・パリの装い: 19世紀から20世紀初頭のファッション・プレート (鹿島茂コレクション 3) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
これまた素晴らしい鹿島茂コレクション。今回は19世紀から20世紀初頭のファッション・プレートのオンパレードである。ファッション・プレートは、ファッション誌を飾ったモードの原盤。銅版画に彩色を施したもの。パリのモード・ジャーナリズムはマリー・アントワネットに始まったそうで、最初のモード誌の創刊は1897年の『ジュルナル・デ・ダム・エ・デ・モード』だとか。それ以来のファッション・プレートが満載されているのだけれど、それらは単に歴史的価値だけではなく、今そのまま用いても通用するような先端性をもあわせ持っている。
2023/11/05
コットン
19世紀前後~20世紀初頭のイラストレーションの萌芽から開化までを時代の流れを含めての鹿島さんの解説といろんなファッションをまとった大判で豊富なカラー画像が嬉しい。アルバムの作成に味方をしたのが日本の造幣局が輸出していた和紙(局紙)だと書かれていて、当時流行ったジャポニズムだけでなく、素材としても認知されていたんだと感じた。
2019/01/27
ヒロミ
豪華な本でした。19世紀から20世紀のファッションモードを描いたファッションプレートと各作家のプロフィールを詳細に記載。鹿島先生独特の文章解説もけっこうな分量でついていてお得です。個人的にはマルティの可憐な貴婦人たちが愛おしいと思いました。ルパップはかなり目を惹く派手な絵柄でいいと思ったんですが、晩年は画力が低下していたんですね。私の大好きなバルビエがない!と思ったら別に本が出ている模様。そちらも読みたいです。アールヌーボーからアールデコまでの変換を楽しめる良書だと思います。
2017/12/14
miaou_u
モードを権力の武器にしたというマリー・アントワネットの宮廷で花開いたモードの流行から、ディアギレフのバレエ・リュスがパリにもたらした20世紀モダニズムが席巻するまでの、商業美術としてのモード。バルザックやジョルジュ・サンドが文明批評を寄稿した『ラ・モード』の「モードとセンスの良さは違う」と掲げたマニフェストは、現代にもどんな時代にも大きく通ずる。街路に色のないコロナ禍。時代の激動 の後にはこれまでのファッションの価値観も一変するだろう。どんな「集団の夢」が誕生するのか楽しみにしたい。
2021/06/06
nranjen
素晴らしい充実したコレクションによる図録。
2022/12/04
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