ガラスの封筒と海と
ガラスの封筒と海と / 感想・レビュー
ケイ
海辺に住む少年は、手紙を瓶に入れて海に投げこむ。きっかけは、車の中で聞いたポリス「message in a bottle」 少年の苦しさ、寂しさ、葛藤らが、行間から溢れて出ている。メッセージは果たして誰かに届くのか? 誰にもわからない。しかし、本当でも嘘でも、そこに介在する善意に心が震える。改めて思う。海とは無限で、様々に姿を変え、色んな物を隠し、包み込む。人間が分かったつもりでいても、決して理解しきる事は出来ない。目を閉じて、遠い海の果てに潜む何かを想像する時の心の高鳴りを共有できる人には読んで欲しい
2017/09/23
みかん🍊
タイトルが素敵で手に取った1冊。文字通りガラス瓶に手紙を入れて海に流す、1年前に父親を船の転覆で失い母と姉と三人で暮らす少年が流した手紙、誰かに届き返事が戻るのか彼と一緒になって不安と期待の中待ってしまう、毎日海へガラス瓶が流れて来ないか探す彼がやっと見つけた瓶の手紙は驚くべき内容だった、海への想い父への想い、諦めないで期待すれば願いは叶う奇跡の話。
2017/11/06
ケロリーヌ@ベルばら同盟
スマホやパソコンでは伝えられない想いをガラスの封筒に詰めて海のポストに託す少年トム。代々海辺の小さな漁村で暮らし、海の仕事で生計を立てて来たトムの家は、少しの刺激で砕け散りそうな繊細な悲しみを湛えています。海の恩寵、非情さ。時に凪ぎ、時に荒ぶる波涛は、トムの手紙を何処へ運ぶのでしょう。美しいタイトルに惹かれて手に取った本書は、読者の心をも数々の追憶の彼方へと誘ってくれました。
2022/10/05
chimako
いかにも外国の児童文学らしい一冊だった。海辺の小さな町に住むトムとその家族、親戚や学校の仲間や街の人々がさらりとした筆致で温かく描かれる。トムの父親は一年前、海難事故に遭い行方知れず。死んでしまったと誰もが思っている。トムはビンに手紙をいれて流すことを思いつく。文章を練り書き上がった手紙を引き潮の海へ向かって思い切り投げる。返事を待つ。1週間2週間3週間……ある日海を漂うビンをみつける。中には帆布に書かれた海臭い手紙が!差出人はデッド・ボーンズ!やがてトムは気づく。本当は誰に手紙を書きたかったのかを。
2023/01/19
はる
読友さんの御感想から。優しくあたたかいファンタジー。船乗りの父を海で失った少年が、瓶に手紙を入れて海に流してみることに。すると戻って来た瓶の中に不思議な返事が…。ワクワクする展開。シアラーらしい素敵な奇跡が起こります。読後感は爽やか。
2017/08/19
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