旅する小舟
旅する小舟 / 感想・レビュー
starbro
2020年の〈ニューヨーク・タイムズ〉と〈WSジャーナル〉のベストブックということで読みました。シュールでモノクロでありながら、夢と冒険に溢れた大型絵本、一読の価値ありです。 https://www.kyuryudo.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000002035&search=&sort=
2021/11/23
アキ
2020年ニューヨーク・タイムズ・ベストブック。岸本佐和子翻訳。圧倒的な想像力と単色の細密画。折り紙でできたような小舟が世界の海を旅するモノクロ絵本。海面下には独創的な生き物や珊瑚礁やチンアナゴ、擬人化された魚もいる。オーロラと星降る夜の海、巨大な氷河の脇を通り、時にはサーフィンのようにトンネル状の波乗りをして、稲妻の夜には紙飛行機のように空を飛び、くらげやタコに弄ばれ、大きな客船の横をすり抜け、ヴェネツィアのカーニバルのような夜に、海辺の小さなお家に帰宅。大海原を共に旅した気分。言葉のない、海の冒険譚。
2021/12/18
けんとまん1007
圧倒的な時間と密度。作者の思いとエネルギーで溢れかえっている。それを、どう受けとり、どう考えるのか・・・を、問いかけられた気分。小舟が象徴するものは、何だろうと考えてみる。自分自身であり、本を通して流れゆく旅は、日々の営みそのもののように思う。漕ぎ出す不安と勇気・決断。モノクロームだからこそ伝わってくる世界がここにある。
2022/08/20
seacalf
たった一本のペンだけでページ数たっぷりの驚異的な世界へと誘う。一体どれだけの生物が描かれているのだろう。見る者の心を奪い、文字通り引きずりこむかのように摩訶不思議な世界へと没入させる。不思議な帆船から旅立って、大海原、マングローブの森、神秘的な夜の世界、タンカーや油田との出会い、巨大なクリーチャー達、海底、ケルプの森、都会の大きな港、運河、・・・。とにかく見せ場が多くてロングムービーを観ているかのような様々な場面が待っている。少し謎めいた展開で解釈は読者に委ねられているので色々自由に想像できるのもいい。
2022/04/14
★Masako★
★★★★✰︎ 表紙の絵の美しさに惹かれて手に取ったが、緻密で壮大な線画の世界に圧倒された。船の上で謎めいた二人の人物に作られた紙の小舟が、海に放たれ旅に出る。沢山の不思議な海洋生物に出会い、危険な目に会いながらも、東へ西へ、北から南へ…。一枚一枚のモノクロの線画があまりにも緻密で、どれだけの時間をかけたのだろうと驚くばかり。暗闇さえも全て線で描かれているのだ。文章が無いので、想像力をよりかき立てられ、何度でも読み返したくなる。ラストも謎めいていて面白い。いつか手元に置きたい素晴らしい絵本♪【図書館本】
2023/01/05
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