シャーロック・ホームズの倫敦: 写真集 (求龍堂グラフィックス)
シャーロック・ホームズの倫敦: 写真集 (求龍堂グラフィックス) / 感想・レビュー
智湖
シャーロック・ホームズの作品に出てくる実在の通りや建物の現在、またヴィクトリア朝時代の古写真が数多く見られる。 あとがきが素敵だったので記しておきます。 「いつの日にかロンドンへ行って、ホームズの足跡を辿ってみたい。そう思うのは、シャーロキアンばかりでなく、万人の夢であろう。 私たちは、夢によって生き生きした生活を送ることができる。人間は夢を食べて生きる動物だと言えるかもしれない。私たちが見たロンドンの夢が、多くの人たちの中に様々な希望を育むよすがとなれば嬉しい。」著者
2018/11/09
plum
求龍堂…表紙がWaterloo Place;コックス銀行の標識が入口に保存されている建物の写真。この銀行の地下金庫にワトソンがブリキ箱を預けたらしい。BBCラジオでは政局と同じくらい銀行関連の話題が流れている。イギリス(ロンドン)はいまでも銀行(金融)の中心なのだろう。100年前ヴィクトリア朝時代中産階級の出現と同時に濃い影も生じていたようで,新しい犯罪と探偵の登場とあいなる。シドニー・パジット挿絵,当時のモノクロ写真,空気感や時間を溶かし込んだような現代の写真,小説の一説の紹介(原文と訳)。
2015/05/15
ぽま
ホームズ所縁のロンドン各地を、写真で追いかける一冊。現代のロンドンのみならず、ヴィクトリア期のシティ各地の写真もあり、当時の雰囲気に浸ることが出来る。大判サイズなので、細かいところまで見ることが出来るのも魅力。付随する解説も、基本的に正典からの抜粋のみでうるさくないのが良い。百年という時の重みを、しっかり感じられる一冊である。
2012/03/27
鷺@みんさー
「あの頃のロンドン」と、同じ地点の「現代のロンドン」の写真が並べられていたり、シャーロキアンでなくても楽しめる大判の写真集。地図と共に散らばる写真の空気に、わくわく、ときめき。
やいとや
同趣の本は結構あるけど、判型が大きい分これが決定版かな、という感じ。ドイルの簡にして密な描写の凄さが伝わる引用は、「あの頃」の倫敦が遺されている事と作者の文章力の二つの凄みを伝えてくれた。東山・小林コンビには否定的にならざるを得ない自分だが、この本のように無駄にしゃしゃり出なければ別に問題は無し。ホームズより「私」が出る姿勢が難なのだなぁ。
2017/08/14
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