木霊
木霊 / 感想・レビュー
chimako
図書館の中を時間をかけて歩いていたら吸い寄せられるように見つけた一冊。田口ランディさんの本ならば一筋縄ではいかないだろうな……そんなことを思いながら50ページに満たないこの本を手に取った。凝った装丁、禍々しくも妖しい画。そこには行き場を失った木霊の一生が描かれていた。生まれたときから世の中の速すぎる流れに押し出されるように過ごす女の子。痛々しい。やがて食べられなくなり30年。体と魂がわかれたとき、自分が木霊だったことを思い出す。樹齢2000年の大きな木。命はギフト。受け継ぎ授ける。途絶えさせることなく。
2015/11/10
keroppi
図書館のリサイクルコーナーで見つけて。生きづらさを覚えながら生きている女性。その魂の行き着く先は。生きていくことは、それだけで素晴らしいことなのだ。優しい文章と美しい絵が、生きづらさを感じる人に救いを与える。
2022/05/29
橘
「転生」を読む前に再読しました。とても短い物語ですが、読んだ後では世界が少し違って見えるようです。生きているだけでいい。でも、人として生き続けることはこんなに優しくはありません。光を感じる空気感は好きです。
2017/04/15
橘
とても良かったです。ただ、わたしのままでいたかった、とわたしもよく思うので、心に寄り添ってくれた読書になりました。最後に安らぎを覚えました。誕生日プレゼントにいただいた本です。ありがとうございました。
2014/10/03
Shinji
「生命はただ、存在しているだけで、ギフトなのです。」 うん、いい言葉ですね。
2015/01/30
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