もの食う人びと
もの食う人びと / 感想・レビュー
ちゃんみー
アジア、東欧、アフリカ等々、著者が食を通じて旅した当時の時代(20年以上前)の表にあるもの、裏にあったものを書き記しています。毎日3食を何も考えずに食べられていることは、世界的に見れば珍しいことかもしれませんね。それにしても物書きさんって大変なんですね。
2016/08/21
ちさと
「人びとはいま、どこで、なにを、どんな顔をして食っているのか。」ソマリアで、チェルノブイリで、実際に現地人と話をしながら同じものを食べて、同じように感じる、あるいは追想する。素晴らしい体験を共有させてもらえる一冊です。飽食の今の日本にいると、好きなものを暖かく・冷たいまま食べられるという幸福感が舌と共に麻痺します。格差の大きな時代になってきました。日本人の多くにとって渇食の日が来るのもそう遠くないのかもしれません。
2018/06/22
山口透析鉄
辺見庸氏の本はこれを最初に読みました。当時、図書館で単行本を借りたんですよね。 筑紫哲也氏もNEWS23内で褒めていただけのことはある本で、世界中をまわった労作で、だてに共同通信のエースと呼ばれていないね、と納得しました。 文庫版の解説等、未読ですが、辺見庸氏の発言は週刊金曜日等々で追いかけて来ましたし、個人的には、土井淑平(よしひら)氏と並ぶ、元共同通信記者のツートップですね。 歳上で、まだまだ頑張って欲しいという方の1人ですね。
1994/12/31
GELC
30年前の著作。食を通して、紛争、貧困、差別などの社会問題を実感しようという試み。書かれていることもものごとの一断面だと思うし、現在では状況が変わっているところもあるだろうが、書かれている内容はズシンと重たく、基本的な構造は現代でも場所や人を変えつつも、保存されているように思う。筆者の文章力が素晴らしく、一瞬で読み終えてしまったが、受け取ったメッセージは、なかなか脳裏から離れそうにない。どの話もヘビーだが、特にソマリアのエピソードが救いが無さ過ぎて。。。絶句するしかなかった。
2024/07/22
澄
読みやすく内容も面白い。食に関して各国、各地それぞれ趣きが異なり、改めて「食」に関して考えさせられる。アジア諸国の内容は「ああ〜」と納得することもあり。事例のなかで最も興味を持ったものは、、、 フィリピンでの日本兵のカニバリズム。この事実は知らなかったので驚きと知らなかったことへの恥となぜ人食をしていたのか興味と。どのような味なのだろうか、、、
2017/07/28
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