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水の透視画法

水の透視画法

水の透視画法

作家
辺見庸
出版社
共同通信社
発売日
2011-06-15
ISBN
9784764106321
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水の透視画法 / 感想・レビュー

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寛生

【図書館】一文一文が丁寧に辺見の手で紡がれる。それは、白川がいう「歌」、つまり訴えかける祈りのよう。その文面は読むこちらに慎重で丁寧な読む行為を求める。時間がかかった。遠い昔からの音なのか、それとも遥か彼方の未来からの声なのか、判らない。だが、その声は人間が人間たる最もその根源に呼びかける。辺見の文から立ちあがる音に神話や妄想、判りきったような倫理は耐えきれず崩れ落ちる時、水の上を動く静かな霊の音が聞こえてくる。何が秩序で混乱かさえも判らない今日、だからこそ誠実になれと辺見の文が語りかける。

2014/12/13

おさむ

花、本、映画、そして世界の時事問題が散りばめられた随想集。新聞連載のコラムだが、歳をとられてお身体が不自由なためか、なんともいえぬ物悲しさが全体に漂う。独特の世界観と裏打ちする哲学、時にもんどり打つ文体‥。辺見さんの文章のすごさを改めて実感する。うちの亡き父と同い年だったんだ。

2018/11/07

ぼんくら

2008年3月から2011年3月まで共同通信が配信した連載の単行本。その時その時を、過去と未来を見据えながら、大切な事を語り続ける。正義を語るその声は、時に気弱に聞こえる。日本人に何かを訴えるということは、きっと虚しい事なんだろう。戦争のことどころか、つい半年前の原発事故でさえ風化しつつある。世事に疎い私には、よくわからないことも多かったけれど、読んで良かったと思う。

2011/10/13

メルセ・ひすい

15-43 初出・共同通信‘08.03~‘11.03連続企画74回分 日常に兆すかすかな気配を感じて、作家は歩き、考え続ける。突然の大地震と大津波、そら恐ろしい光景。それは結末ではなく、新しい始まりなのか。言葉からみはなされた現代世界を根源から省察する。名前が売れると… そこそこでも。  

2011/07/16

zeroset

思想的に同意できない意見もあるが、美しい文章と真摯な態度には襟を正される思いがする。

2013/01/06

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