ふたりのスケーター
ふたりのスケーター / 感想・レビュー
カタコッタ
フィギュアスケートを通して成長するふたりの女の子の物語。誰でも経験する微妙な軋轢とそれを乗り越えて生まれる友情。些細な事と思われるが、子供にとって一所懸命な事がとても大事で、これこそが運命を支える大きな事と思われがちなのだ。大人になって懐かしく思い出す出来事としてこんな事が意外と大切だったりするのだ。余韻を残す印象的な終わり方。あらゆる年齢の読者も楽しめる。特に女の子を持つお母様、おススメです。
2018/11/09
鳩羽
病後の体力回復のためにスケートを勧められたハリエットは、リンクで有名フィギュア選手の娘であるララに出会う。仲良くなった二人は、経済的な差はあれど、一緒に勉強してスケートに励むようになる。ところがララにスランプが訪れる。ライバルになるようで、ギリギリのところでライバルにはならない女の子同士の関係の話。向き不向き、本人と周囲の意思など、様々なことが入り混じるが、きちんとした大人が適切なフォローをして、ララもハリエットも真っ直ぐに成長していけそうなところが良い。感情を細部にわたって描写しすぎないところも。
2018/01/10
くるり(なかむらくりこ)
原書出版年は1951年。フィギュアスケートを題材にした女の子の友情物語です。華やかな才能に恵まれたララと、内気だけど芯が強く努力家のハリエット。スケートに対する姿勢も正反対で、それが少しずつ友情に影を落として……。でももちろん最後はふたりがそれぞれの未来へと歩み出す幸せな結末。スケートファンとしても楽しめるけれど、古き良き正統派の児童文学にゆったりと浸れるこの安心感が、寒い冬にあたたかな部屋で楽しむ読書にぴったりです。
2017/12/28
橋川桂
タイトルに惹かれたのと、冬季五輪の時期だから、で手に取った。かなり低年齢向けの作品ながら、大人も、特に子供に習い事とか始めさせようと思ってる人は、ちょっと読んでみた方がいい話。
2018/02/15
Olga
病み上がりで、体力をつけるためにスケートを始めたハリエットと、天才スケーターを父(故人)にもち、世界チャンピオンになるべく幼いころから英才教育を受けてきたララの、スケートと友情と家族の物語、つまり古典的児童文学の王道。こういう作品を読むと、世界は善意でできていると信じられるような気がしてくる。
2017/12/29
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