それからはス-プのことばかり考えて暮らした
それからはス-プのことばかり考えて暮らした / 感想・レビュー
ダリヤ
どこかにあるであろう月舟町へ引っ越したくなる。人と人との距離が心地よすぎていつまでも月舟町で流れる時間を追っていたいきもちになり、続きが隠れていないか本をひっくり返してさがしてしまうほど。教会のそばで、祈るようにサンドイッチとあたたかいスープを食べたくなった。
2015/02/06
masa@レビューお休み中
はじめにサンドイッチが食べたくなり、次にスープが飲みたくなってしまう。おいしい料理というものは、言葉からだけでもおいしさを発してしまう。まるで、本から湯気が立ち込めて匂いや音が辺り一面に充満しているかのように錯覚してしまうのだ。ハム・きゅうり・たまご・じゃがいものサラダのサンドイッチ。えんどう豆、かぼちゃ、名なしのスープ…。次から次へと料理が出てきて、おいしそうに食べる人が登場する。毎日サンドイッチを食べ、毎日スープのことばかり考えて暮らす。そんな人生もあるのだと思う。そんな幸せもあるのだと思うんだ。
2012/11/26
あや
この本に出会ってから又、居心地のいい居場所が増えました。読む度に美味しいスープとサンドイッチが食べたくなる、そんな大好きな作品です(*^^*)
2015/07/05
chimako
好きだなぁ。特別なことが起こるわけではない。身を焦がすような恋愛もないし、殺人事件も起こらない。けれど、心のひだにじんわりと染みるような物語。サンドイッチのお店3 トロワ。オーナーの安藤さんと息子のリツ君。そこのお客さんになったオーリィ君が主人公。やがてトロワの従業員となる。みんながみんな欲がない…と言うかギラギラしたところが全く無い。オーリィ君の大屋さんも、謎のご婦人(緑色の帽子がトレードマーク)も、リツ君の友だち森田くんも。安藤さんのサンドイッチとオーリィ君のスープ、是非味見したい。
2018/02/02
あんこ
[マザーウォーター]という映画を観たあとのこちらの小説。再読の再読です。文庫もあるけど、単行本もそろえてしまいました。文庫にはない装丁で、挿絵も文章にぴったりで素敵です。おいしいものを食べて、のんびりと映画を観て、だれかとのんびり会話する。そんな日常は素敵ですよね。昔は時間が太っていて、今は時間の節約とともに細くなっている―確かにそうかもしれません。だからこそ、吉田篤弘さんや小川洋子さんのような小説に惹かれます。
2013/06/25
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