芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語
芥川龍之介・菊池寛共訳 完全版 アリス物語 / 感想・レビュー
starbro
100年近く前の復刻本、書店で気になり読みました。『不思議の国のアリス』の物語は知っていましたが、真面に読むのは初めてです。芥川 龍之介&菊池 寛共訳とのことですが、メインは芥川 龍之介が訳し、菊池 寛が最後纏めたようです。アリス物語は、首に拘っていて、アリスのろくろ首まで登場するとは思いませんでした(驚) http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=49905
2023/03/18
まふ
芥川の没後僅か4か月の1927(昭和2)年11月に発行された貴重な菊池寛との共訳の書。といっても芥川は状況的にごく一部を担当したものらしく彼の死後菊池寛が僚友芥川を偲びかつ慮って共訳としたらしい。とはいえ、訳文は十分に可愛らしく現在の眼からしても大層魅力的である。マーガレット・タラントの挿絵も素敵でこの作品の魅力を十分に引き出している。アリスは何読目かであったが読むたびに新鮮な感動を抱くのは作品の持つ奥深い魅力とともに読み手の健忘症(としておこう)による新たな(?)発見の賜物ではないかと思ったりした。
2023/10/11
keroppi
芥川龍之介と菊池寛が、「不思議の国のアリス」を翻訳していたなんて、初めて知ってビックリ。芥川が亡くなる直前まで訳していたのは途中までで、死後、菊池が残りを訳し出版に至ったらしい。当時としては馴染みのないタルトを饅頭と言ったり、ティーパーティは、まるで日本茶のようだし、アリスが「平気の平左だわ」なんて言ったりする。それでいて、アリスの楽しさは、しっかり訳出出来ていて、二人の文豪の筆運びに引き込まれた。芥川が大の犬嫌いであったとか、菊池の冤罪事件とか、解説も豊富で、二人を知る上でも貴重な一冊だった。
2023/03/18
こなな
橙の砂糖漬けはオレンジマーマレード、桜饅頭はチェリータルト、フラミンゴが紅鶴。ガラス瓶は甕に、ティーカップは茶呑茶碗。装丁がいい。空想の不思議の世界を支えるカラーで掲載された1900年代前半に活躍した英国の挿絵画家、マーガレット・タラントの挿絵。隅々まで楽しめる。日本の文豪による不思議の国のアリス。上品でリズミカル、オノマトペも楽しい。アリスや不思議の国の登場人物たちがいきいきとユーモラスに描かれている。『アリス物語』の原書に不足な点を小説家で芥川研究者の澤西祐典氏が補ったため完全版となっているとのこと。
2023/10/21
優希
アリスの物語を文豪が訳したものです。アリスと不思議の国の人々が生き生きとしていて、100年経った今でもその魅力は色あせません。誤訳もありますが、物語に引き込まれました。挿絵も素敵です。
2023/04/21
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