人造美女は可能か?
人造美女は可能か? / 感想・レビュー
明智紫苑
様々な文化で理想の女性のイメージとして創造される「人造美女」を論じた本。この本は文章や映像作品や人形などがメインで扱われているが、美人画論も入れてもらいたかった(アニメの美女キャラクターを扱う記事ならあるが)。ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティのような男性画家が描く美人画が「理想の他者」のイメージならば、上村松園のような女性画家が描く美人画は「理想の自己」のイメージだろう。他には現実世界の整形美女たちを扱う記事もほしかった。以前のアカウントでも書いたが、人造美女とは「理想主義」のシンボルだ。
2018/07/27
aoto
ピグマリオン、フランケンシュタインの花嫁、砂男、サロメ、攻殻機動隊などの物語を例に挙げ、物語における人造美女について論じた本。人造美女が生まれる動機パターンや、その夢にとりつかれた時代背景についても触れる。
2023/06/19
アクロイド
捉えどころがない、筋がない、といわれたらそれまでだが、こうも広義にして語る本も珍しい。専門書じゃないからね。そこがいい。GIS攻殻ファンには是非とも読んでほしい。
2014/11/01
ooto
書籍化の発端がシンポジウムから始まっているようなので広範な内容になっているとは思ったが、予想以上に捉えどころがなかった。すべての評論に一本筋が通っているわけではないので、人形論が派生したものの亜種として読むと気楽。巻末に数ページ載っている〈人造美女編年史〉だけでも充分に資料的価値があった。この編年史が面白いのはピュグマリオン神話が表の最初に記されたあと、十八世紀まで資料が記されていない点。この間隙を埋めるのには澁澤龍彦の『夢の宇宙誌』あたりが丁度いいかも。とりあえず 『人造美男子って確かにいないね?』
2012/02/16
さっち
私の人形(ミニ人造美男美女)好きはだいたい『ファイブスター物語』の影響だ。人形というのは「理想主義」のシンボルなのね。
2013/04/09
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