英国の幽霊城ミステリー
英国の幽霊城ミステリー / 感想・レビュー
パトラッシュ
英国の邸宅建築は結構好きで写真集も持っているが、屋敷と幽霊譚に絞った本は初めて。日本では城館に取り憑いた怨霊はいつまでも祟るものだが、英国では出るだけで悪さはせず今も人が住む館に同居するのが珍しくないとは。しかも原因となった事件は、妻の目前で夫を殺したり捕虜を地下牢で餓死させるなど、洒落にならない残酷な事例が多いのに。これだけの違うのは国民性の差異もあろうが、むしろ築数百年も珍しくない館に住み続けるなら「幽霊のひとつやふたつ居て当然」と達観しているのか。M・R・ジェイムズの怪談が生まれた根源を見たようだ。
2023/08/05
ままこ
惨劇と愛憎渦巻く舞台となった実在する幽霊城。ヘンリー8世を取り巻く王妃たちの処刑は理不尽さが目立つ。数奇な運命を辿った人たちの背景を、城を通して紐解いていく英国王朝ミステリー。幽霊を恐れながも尊重し共存している英国人の姿勢と歴史が見て取れる。建物雑誌に連載されたエッセイ形式の作品。山田佳世子さんの雰囲気ある美しいイラストが素敵。
2023/10/31
hit4papa
幽霊が出没するお城にスポットを当て、そのお城の歴史的な位置付けや、幽霊と噂される人々の生前の物語を紐解いていく著書です。登場人物は主に英国王室の方々で、この世に未練を残したであろう逸話は興味深いです。英国の歴史に興味を持つきっかけにはなるでしょう。エリザベス1世のお父様へンリー8世と王妃たちの悲劇については調べてみたい!彼の国の人々は、幽霊に対して寛容であるのは知っていますが、幽霊そのものもそれほど悪さをしないようです。まさにお国柄。有名なウインザー城やバッキンガム宮殿にも、今なお出没するそうです。
2024/04/08
TATA
暑い毎日なのでこういった本を読んでみる。バッキンガム宮殿、ウィンザー城にエジンバラ城、どこのお城も牢獄とか処刑場とか血生臭い歴史があって、そりゃ幽霊の一人や二人出てくるでしょということ。あとはゴシップ好きな人達だもの、きっと愛すべき幽霊さん達なんでしょう。私も行ったところがいくつか。そういえばあの時肩を触られたような気がしたり、シャッターが切れなかったりしたような、なーんて。うん、英国のステキなガイドブックです。あと、ヘンリー8世とアン・ブーリンはこの世界でのチャンピオンなんですねー。
2023/07/26
Nyah
ロンドン生まれの織守きょうや氏が英国の幽霊と城にまつわる歴史と、そこに隠された秘密を紐解く。山田佳世子氏のイラストが美しい。城ツアーで観光客が声を聞いたり、姿を見たりする事もあるらしい。各城の見取り図と目撃される幽霊の位置が描いてある。/CASE1 ウィンザー城と25人の幽霊、CASE2キンボルトン城とキャサリン・オブ・アラゴン、CASE3ロンドン塔に囚われたものたち、CASE4愛憎劇の舞台ハンプトン・コート宮殿〜CASE13現役の宮殿に住むゴーストたち+ラドロー城、バルモラル城。/知らない🏰に沢山👻
2023/09/06
感想・レビューをもっと見る