「A」撮影日誌: オウム施設で過ごした13カ月
「A」撮影日誌: オウム施設で過ごした13カ月 / 感想・レビュー
keiniku
映画「A」はまだ見ていないのだけれど、もう、この本ですでにドキュメンタリー!この場合はセルフドキュメンタリーだけれど。描かれている、撮影での場面はどんなであろうかと、映画も見ずにはいられない気持ちになった。オウム…というより、撮影対象とした人物「荒木浩」という人物の姿が目の前にいるかのように見えて来る。映画も、著作も、なんであれ人間を、または周りにある物事とどう関係して見ていくのか、なんだなあ、と思わされる。素晴らしい一冊。
2016/12/13
くるた
オウムの中心にいた幹部たちは、その後発言が報道されたり、本人が手記を発表したりと、一応その内面について発信されてきました。でも、一般の信者は一体何を考えてるのか?そういえば今まで目にしたことがありませんでした。荒木浩という人は不思議な人ですね。なんでこんなに肩の力が抜けている(ように見える)のか。被害者に対する感情が伺えないのが非常に残念でしたが。本書はあくまで「撮影日誌」なので、やはり映像で「A」を観たいなと思いました。この撮影から20年以上経った現在も、まだアレフをやってる荒木浩。謎が深すぎる。
2021/09/10
かみーゆ
荒木浩は今どうしてるんでしょうか。オウム事件以降、「悪いことしたヤツは何をされても仕方ない/何をしてもいい」っていう社会になってしまったという気がします。その意味では麻原が起こしたハルマゲドンによって日本という国は壊されてしまったと言えるのかもしれないですね。予言は当たっていたわけだ。いやはや。
2023/06/14
kera1019
麻原とオウムが起こした犯罪については絶対に許せないけども、「オウムの中から外を見る」という本書の視座を読むとオウム信者の別件•微罪逮捕や事実と乖離する報道には酷い違和感を感じる。とは言え僕個人がオウム真理教と向き合った時、一個人として当たり前の態度をとれるかと問われると正直、マスコミのマインドコントロールのお陰でオウムから出されたお茶の一杯もよう飲まんと思う。それにしても「転び公妨」、それを行う公安の心理は怖い…
2013/07/11
トッド
これを読むまで「ドキュメンタリー=ノンフィクション=事実=真実」という認識でした。何事も主観的ではダメ、客観的に真実をみる事が大切だと考えるようになっていた今日。反オウム側の社会とオウム側の社会の「中立」を撮ったこの作品は、立ち位置がオウム側であるためか、実はオウム側に主観が移り読者の感情を動かしたことだと思う。主観があるから面白く、その重要性は発見だった。侮蔑的対象の中にも良心的な人もいる事、どちら側にも正義があり、1つの事実の中には複数の真実が存在する事も学んだ。細かく入る森氏の思慮がとても面白い。
2016/07/05
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