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三木清『人生論ノート』を読む

三木清『人生論ノート』を読む

三木清『人生論ノート』を読む

作家
岸見一郎
出版社
白澤社
発売日
2016-06-28
ISBN
9784768479629
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三木清『人生論ノート』を読む / 感想・レビュー

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おたま

三木清『人生論ノート』を、アドラー心理学者で哲学者の岸見一郎が解説したもの。当初思っていたよりも内容は難しかった。どうも三木清自身が当時の状況(戦時体制下)で、自由にものが書けなかった故に、あえて難しく書いたということでもあるらしい。「幸福について」一つとっても、本当はもっとのびのびと語りたかったに違いないだろうと思う。「今日の良心は幸福の要求である」と書かれていると、何か胸に迫るものがある。ハイデガーに学び、京都学派にも属し、戦後になって獄中で亡くなったという、その人生をもっと知りたいと思う。

2022/11/01

西

岸見先生の書かれた本というだけで読み始めましたが甘かった。後半になるほど難しくなり、学生時代の読解力テストに出てくる文書を思い出しました。 4月からNHKの「100分de名著」で、この本が取り上げられるみたいなので、それでもう一回勉強しよう

2017/03/27

ほじゅどー

★★★★国家総動員法が成立した三木の時代、滅私奉公、自己犠牲が奨励され、人間的な幸福の要求は抹殺された。高度成長期には幸福は成功に置き換えられた。幸福と成功は違う。幸福は存在に関わるのに対し、成功は過程、進歩に関わるもの。幸福は各人のもの、人格的な、性質的なものだが、成功は一般的なもの、量的に考えられるもの。拝金主義も成功主義と同じ。成功主義者は報酬や地位で容易にコントロールされる。幸福は各人オリジナルなものであり、取り替えは効かないが、成功主義者の組織はいくらでも取り替えが効く。幸福と幸福感は違う。

2018/10/31

おりがみ

哲学者三木清の著書を丁寧なことばで解説しています。考え方に普遍性があり、その文章に勇気づけられたり胸が痛くなったりします。2章から4章にかけて幸福と成功、虚栄と名誉、怒りと憎しみについての解説はきわめて明瞭ですっきりとした印象を受けます。しかし5章の虚無についてはかなり難解で何回か読み返してやっと理解できたような気がします。抽象的な表現になっている文章にこのような解説書は非常に助かります。

2017/09/06

タケイ

いちばん面白かったのは孤独の話。孤独は古今東西様々に論じられるが、本書の、社会化された――つまり周りに煽られ得る――感情に対して人格的な知性による自覚に基づいた孤独は(実存主義的な意味で?)本来的だ、という分析は新しい。 京都学派は何とか主義みたいのではなく、三木の『人生論ノート』はプラトンもデカルトもニーチェも広く深く学ばれた教養ある先生がつらつら綴ったみたいな本。でも戦争期という時代性はあって、……面白い。解説書から入ってよかった、基礎知識の確認をしつつゆっくり並走してくれるので安心して沼に沈めそう。

2022/01/24

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