フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし
フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし / 感想・レビュー
ヴェネツィア
レオ=レオニ作(文と絵)、谷川俊太郎・訳。これほどまでに文と絵とが混然一体になっている絵本も珍しいくらい。谷川俊太郎の訳詩がまたピッタリときまる。貼り絵の技法で、ネズミたちの造型はシンプルなのだが、それがまた効果を上げている。これでも表情が出せるのだ。もっとも表情豊かなのは、もちろん最後のシーンのフレデリック。ポーズもセリフもまさに千両役者だ。お薦め絵本。
2024/01/08
seacalf
2020年は子年なので、新年最初の感想はこの絵本。牧場に沿った古い石垣に住んでる野ねずみ達。冬に備えて木の実や小麦やわらをせっせと集めている仲間達を尻目に、お日様のひかりや、色や、ことばを集めているフレデリック。さあ、冬を迎えた石垣の中ではどんな話が繰り広げられるのか。詩人のフレデリックは風体や佇まいから、ネズミ界のスナフキンみたい。ラストページの彼も可愛いくていいね。ということで、今年の年賀状のデザインもフレデリックに決めたのでした。
2020/01/01
♪みどりpiyopiyo♪
ご紹介いただいた本を読みました。みんなとちょっと違うフレデリック。こんな子いるよね♪ ■かわいい のねずみ達の冬支度と越冬の様子を通して、普遍的な 芸術の存在意義や、精神活動の大切さを描きます。受け取る側にも 知性と教養に裏付けられた寛容さが必要なのですよね。■人はパンのみにて生きるにあらず。一致団結して同じ方を向いてる人しか居ない社会は脆い。分かりやすい努力だけでは、社会は そして人生は持続できないよね。私達の社会と私達の人生のお話でした。■フレデリックかわいい♡
2016/09/22
馨
絵本。貼り絵調で可愛い。越冬のために一所懸命準備する仲間たちに反しフレデリックは一見働かないネズミ。自分が仲間なら仲良く出来ないかもな・・と思いながら読了した私は心が豊かではないのだろうかと考えてしまいました。心の記憶が温かくすることもあるのですね。
2024/01/01
紫 綺
アリとキリギリス的な話かと思いきや、かしこい記憶力と表現力で冬に疲れ切った仲間たちを元気づけた。頭脳派だ。
2015/12/13
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