ペツェッティーノ
ペツェッティーノ / 感想・レビュー
ヴェネツィア
レオ=レオニ作。訳は谷川俊太郎。お話は、自分が何の部品かわからないペツェッティーノ。自分探しの旅に出る。最後はめでたく…というもの。レオニだけあって、生命はやはり絵にある。シンプルで小さな四角形(ペツェッティーノは鮮やかなオレンジ色)が中心の、半ば抽象画である。色とフォルムはクレーを思わせるが、時としてまたミロのようでもある。幼少時からこんな絵に親しむのもいいのではないだろうか。
2024/07/10
シナモン
自分はなんの取り柄もないいわば誰かの部分品(ぶぶんひん)だと思っていたペツェッティーノ。こなごなじまに行って自分も粉々になったとき、はっと気づく。この時私もはっと目が覚めたような感覚に陥った。とても哲学的。自分はこれでいいんだと励ましてもらったような一冊でした。
2020/06/18
masa@レビューお休み中
オレンジ色をした正方形の形をしたペツェッティーノ。彼は自分のことを、何かの部分品であると思っているのです。たしかに、この形はどこかの何かから落ちてしまった部分品なような気もしなくはないです。そして、彼は自分が誰に部分品かを探す旅に出るのです。まるで、幼稚園児が描いたかのような形の生き物(?)がたくさん登場します。大人になると固定概念ができあがってしまうから、一方向からでしかものを見ることができなくなってしまう。でも、必ずしもそうだとは限らないんですよね。さて、ペツェッティーノは、一体何者なんでしょうね。
2013/07/06
Kawai Hideki
ちいさな四角のペツエッティーノ。自分は小さいので、きっと、何かの部品なんだろうと思って、いろんな集合体に「ぼくは きみの ぶひんではないでしょうか」と聞き回るお話。でも、走るやつも、強いやつも、泳ぐやつも、みんな「部品は足りてる」という回答。途方に暮れるペツエッティーノ。最後に、かしこいやつに言われた「こなごな島に行ってごらん」の言葉を手がかりに、こなごな島に向かう。そこで、自らがこなごなになったことで、自分自身も小さな部品の集まりだったことに気がつく。組織と個人、個人とその内面について顧みたくなる絵本。
2016/07/02
パフちゃん@かのん変更
自分をとるに足りない小さな部分品だと思っていたペツェッティーノ。自分はだれの部分品なのかを確かめるために、友だちを訪ね、とうとう海をわたることに・・・。そして砕けたかけらを見て自分はこんな部品でできた完成体だと分かる。哲学的な絵本。
2015/05/06
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