五体不満足 完全版 【講談社英語文庫】
五体不満足 完全版 【講談社英語文庫】 / 感想・レビュー
呉下の阿蒙
日英翻訳だから読みやすいし脳内翻訳も比較的簡単。生誕から大学時代までの自伝。完全版には『五体不満足』が出版された後の反響や就職についてが加わり、個人的にはこっちが興味深かった。本が売れたことで常に周りから注目される存在になってしまったり、皆が期待する本の中の「オトくん」と生身の人間「乙武洋匡」とのギャップに苦しんだり、著者があたかも障碍者全員の代表のように扱われることに疑問を抱いたりするなど、前半までの障碍者ゆえに直面する物理的困難よりも、有名人ゆえにぶち当たる人間的苦悩のほうが面白かったということだ。
2016/08/06
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