だから猫は猫そのものではない
だから猫は猫そのものではない / 感想・レビュー
(C17H26O4)
【猫本を読もう 読書会】猫は猫そのものではなくはありません。行間も読みません。いいじゃないですか。寺田寅彦の猫愛の深まっていく様なんて、くすくすしてしまいます。漱石の妻の猫への冷淡さの裏側にある情もわかるなあと思うし。猫が人間を分析したり批判しているお話も、わたしは叱らないで笑ってしまいますよ。一方で当時の人々の残酷とも思える猫との関わり方も理解できます。今のような愛玩の対象とも違うのですから。家の中に外に普通にうろうろしていた猫という生き物について、文豪たちが書いた随筆や童話や小説、面白かったです。
2019/02/26
mii22.
明治、大正、昭和初期の文豪が猫を題材に書いた、随筆、小説、童話を集めたもの。私にとって猫は見てるだけで幸せな存在。やわらかな毛、吸い込まれそうになる瞳、愛らしくて、官能的で、狂気的なしぐさも...すべてが大好き。本書に登場する猫たちは、現在のペットと呼ばれる猫ではなく、また内容もすべてが猫愛に溢れたものではありませんが、味わい深い作品集でした。解説が面白く、各作品と合わせて読むと大変興味深く楽しめました。
2015/05/21
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