ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― (ThinkMap) (Think Map 4)
ゲームデザイン脳 ―桝田省治の発想とワザ― (ThinkMap) (Think Map 4) / 感想・レビュー
nbhd
著者が開発した「俺屍」をクリアして再読。主人公一族は寿命が2年以内、その呪いを解くため神々と交わり「世代交代」しながらラスボス打倒を目指すゲーム。『システムはストーリーに先行する』という著者の考え方が顕著なのが「仇討ち」に関する部分。そもそも、このゲームには「子が親の仇を討つ」というストーリー設定がない。しかし、システム上「親世代がボスに勝てず」「子世代がそのボスを倒す」ことになりやすいように意図的に設計されているらしい。システムがプレイヤーの想像力を誘発して、描かれない仇討物語を補完させるというしくみ。
2017/02/23
nbhd
これは、かなり、すごく、よかった。「俺の屍を越えてゆけ」のゲームデザイナーが書いた本。ゲーム作りの着想から設計まで、グチャグチャの要素を程よく「因数分解」していくかんじで、しかも説得力がある。ざっぱに言えば「マリオの宮本茂氏と桝田氏、ゲームの作風は正反対かもしれないけど、やっていることは同じ」だということ。ちまたには「本質を捉えてるネ」みたいな言古された”いやーな言葉”があって、個人的にはやたらめったらに使いたくないのだけど、この本は、それでもあえて「本質を捉えてるゥゥ」と評価したくなる本だった。再読必至
2017/02/06
kubottar
毎日ちょっと気が付いたこと、心が揺さぶられたことをメモ(今ならツイッターか?)して、それが10年積もればあなたも立派なネタ出し人間になれるというのが心に残った。そして、表紙の女性キャラだと思うが編集者「秋山絵美」がこの本のもう一人の主人公だといえよう。ゲームデザイナー本とは違った視点で見ることができるのがミソ。編集者は本をどうやって売れるように方向付けていくのかが本編以上にわかりやすく伝わってくる。
2012/06/09
やまかぶ
桝田省治に注目してしまうのは、子供の頃にやった『天外魔境2』に良くも悪くも影響を受けたことと、自分が作ったゲームが何故面白いか、プレイしていて気持ち良いかをちゃんと話してくれるからである。この本でもそのことがよく書かれている。面白さの解体と分析の例として桝田氏の考えたことが述べられていて、ゲームに限らず、応用の効く方法だと思う。ただ、担当編集の「読者が自分でもできそうと勘違いするように書いて」という要求に照らし、筆者が再三書き示す「考えるのはタダ」という言葉を見るに、それは容易でないこととも受け取れる。
2016/02/28
AoiHinata
「伝えたいこと」を、より効果的に伝えるためにはどうしたらいいのか。それは、伝わりやすい「仕組み」を使うこと。じゃぁ、その仕組みはどうやって考えるのかっていうと。それは、「おもしろいなぁ」って思ったら、その理由を考えること。そうすれば、自分がおもしろいって感じた理由が、ソフト的にもハード的にもわかるようになって。それを応用することで、おもしろいことをつくって、伝えられるようになるかも。
2010/10/24
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