BEKIRAの淵から 証言・昭和維新運動
BEKIRAの淵から 証言・昭和維新運動 / 感想・レビュー
さらば火野正平・寺
ご存じ鈴木邦男が、昭和49年に昭和維新の生き残りにインタビューした本の新装版。そうだ、あの頃はまだまだ五・一五事件だの二・二六事件だの血盟団事件だのの当事者が生きていたのだ。中島貞夫&笠原和夫の映画『日本暗殺秘録』で千葉真一が演じたテロリスト・小沼正が生きていて鈴木邦男にインタビューされている。大正昭和の有名な人や事件が、生き生きと語られる。貴重なオーラルヒストリーである。あの当時の右翼は左翼と紙一重でもあり、不明にして知らなかったが、あの左翼の重信房子のお父さんが血盟団のメンバーだったのは驚いた。
2021/06/10
半木 糺
1977年に出版された旧著を復刻したもの。2・26事件や神兵隊事件、血盟団事件など、昭和維新運動に参加した人々へのインタビューが主に収録されている。彼らの事跡や発言を見ると、戦前の右翼は思想内容も交友関係も実に多様かつ芳醇であり、現在でも見るべきものは非常に多いと感じさせられる。例えば老壮会に所属していた嶋野三郎は日本人で始めてロシア革命を実見した人物であり、三月事件の清水行之助の用意した資金が戦後に社会党の結党資金となるなど、実に波乱に富んでいる。右翼に限らず、戦前の思想史を考える上でも有益な書である。
2015/11/18
Hidetaka Ohtsubo
すごい本だ。なんと言っても取り上げられている人々と、対談内容がすごい。とても一読しただけでは足りない。再読、再再読を要する。
2015/07/19
三田郎
「日召先生が言っていたが、破壊、破壊、破壊で建設なんか考えなくていいんですよ。そしてその破壊を突き抜けたところにおのずから建設は出てくる。井戸掘りだってそうでしょう。」(小沼正)
2024/04/15
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